梶井基次郎≪桜の樹の下には≫を主題とする詩とカノン；02 ２声a

梶井基次郎≪桜の樹の下には≫を主題とする詩とカノン；２声a（一元）

　　　桜の樹のしたには

　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　しなかった。…信じられ、は

　　　なに？うつくしさが。あの

　　　だった。…の、信じら

　　　　桜の樹のしたには

　　　わたしの、いつかの

　　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　なに？安全カミソリさえ、も

　　　　しなかった。…信じられ、は

　　　おびえを？きみだけが

　　　なに？うつくしさが。あの

　　　信じて。その

　　　　だった。…の、信じら

　　　頂点。美の

　　　　わたしの、いつかの

　　　さらされるべき沈黙を

　　　　なに？安全カミソリさえ、も

　　　美は。…信じら

　　　おびえを？きみだけが

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　　信じて。その

　　　美。仮構せよ

　　　　頂点。美の

　　　桜の下には、と

　　　　さらされるべき沈黙を

　　　死屍が、だから

　　　美は。…信じら

　　　桜の樹のしたには

　　　　美だ、美だ。美だ、

　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　　美。仮構せよ

　　　いわば。…食用肉、と

　　　　桜の下には、と

　　　なに？臭気が、その

　　　死屍が、だから

　　　だった。…の、信じら

　　　　桜の樹のしたには

　　　桜の樹ら。あの

　　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　なに？維管束に吸われた体液のかがやき

　　　　いわば。…食用肉、と

　　　苦悩を？きみだけが

　　　なに？臭気が、その

　　　信じて。あの

　　　　だった。…の、信じら

　　　溪間。躍動を

　　　　桜の樹ら。あの

　　　散らしたうすばかげろうたち

　　　　なに？維管束に吸われた体液のかがやき

　　　綺羅めき、その。…信じら

　　　苦悩を？きみだけが

　　　信じて。あの

　　　　信じて。あの

　　　みなも。死屍を

　　　　溪間。躍動を

　　　密集させていたうすばかげろうたち

　　　　散らしたうすばかげろうたち

　　　滅び。その。…信じら

　　　綺羅めき、その。…信じら

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　　信じて。あの

　　　美。仮構せよ

　　　　みなも。死屍を

　　　桜の花には、と

　　　　密集させていたうすばかげろうたち

　　　死屍が、だから

　　　滅び。その。…信じら

　　　桜の樹のしたには

　　　　美だ、美だ。美だ、

　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　　美。仮構せよ

　　　あるいは、…おれには

　　　　桜の花には、と

　　　なに？惨劇が必要だ。いま

　　　死屍が、だから

　　　だった。…の、信じら

　　　　桜の樹のしたには

　　　なに？汗、この。きのうの

　　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　精液のべたつきさえ、も

　　　　あるいは、…おれには

　　　苦笑を？きみだけが

　　　なに？惨劇が必要だ。いま

　　　信じて。この

　　　　だった。…の、信じら

　　　笑みの翳りに、美の

　　　　なに？汗、この。きのうの

　　　を。さらしてしまっていた凡庸、を

　　　　精液のべたつきさえ、も

　　　あざわらいなが、…も。信じら、と

　　　苦笑を？きみだけが

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　美。仮構せよ

　　　桜の樹のしたには

　　　なに？埋まっ、屍体が

梶井基次郎≪桜の樹の下には≫を主題とする詩とカノン；２声a（反転）

　　　桜の樹のしたには

　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　しなかった。…信じられ、は

　　　なに？うつくしさが。あの

　　　だった。…の、信じら

　　　　桜の樹のしたには

　　　わたしの、いつかの

　　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　なに？安全カミソリさえ、も

　　　　しなかった。…信じられ、は

　　　おびえを？きみだけが

　　　なに？うつくしさが。あの

　　　信じて。その

　　　　だった。…の、信じら

　　　頂点。美の

　　　　わたしの、いつかの

　　　さらされるべき沈黙を

　　　　なに？安全カミソリさえ、も

　　　美は。…信じら

　　　おびえを？きみだけが

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　　信じて。その

　　　美。仮構せよ

　　　　頂点。美の

　　　桜の下には、と

　　　　さらされるべき沈黙を

　　　死屍が、だから

　　　美は。…信じら

　　　桜の樹のしたには

　　　　美だ、美だ。美だ、

　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　　美。仮構せよ

　　　いわば。…食用肉、と

　　　　桜の下には、と

　　　なに？臭気が、その

　　　死屍が、だから

　　　だった。…の、信じら

　　　　桜の樹のしたには

　　　桜の樹ら。あの

　　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　なに？維管束に吸われた体液のかがやき

　　　　いわば。…食用肉、と

　　　苦悩を？きみだけが

　　　なに？臭気が、その

　　　信じて。あの

　　　　だった。…の、信じら

　　　溪間。躍動を

　　　　桜の樹ら。あの

　　　散らしたうすばかげろうたち

　　　　なに？維管束に吸われた体液のかがやき

　　　綺羅めき、その。…信じら

　　　苦悩を？きみだけが

　　　信じて。あの

　　　　信じて。あの

　　　みなも。死屍を

　　　　溪間。躍動を

　　　密集させていたうすばかげろうたち

　　　　散らしたうすばかげろうたち

　　　滅び。その。…信じら

　　　綺羅めき、その。…信じら

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　　信じて。あの

　　　美。仮構せよ

　　　　みなも。死屍を

　　　桜の花には、と

　　　　密集させていたうすばかげろうたち

　　　死屍が、だから

　　　滅び。その。…信じら

　　　桜の樹のしたには

　　　　美だ、美だ。美だ、

　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　　美。仮構せよ

　　　あるいは、…おれには

　　　　桜の花には、と

　　　なに？惨劇が必要だ。いま

　　　死屍が、だから

　　　だった。…の、信じら

　　　　桜の樹のしたには

　　　なに？汗、この。きのうの

　　　　なに？埋まっ、屍体が

　　　精液のべたつきさえ、も

　　　　あるいは、…おれには

　　　苦笑を？きみだけが

　　　なに？惨劇が必要だ。いま

　　　信じて。この

　　　　だった。…の、信じら

　　　笑みの翳りに、美の

　　　　なに？汗、この。きのうの

　　　を。さらしてしまっていた凡庸、を

　　　　精液のべたつきさえ、も

　　　あざわらいなが、…も。信じら、と

　　　苦笑を？きみだけが

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　　仮、…よ。美を

　　　美。仮構せよ

　　　　美だ、美だ。美だ、

　　　仮、…よ。美を

　　　　美。仮構せよ

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　きみだけが苦笑を？

　　　あざわらいなが、…も。信じら、と

　　　　も。べたつきさえ、精液の

　　　を。凡庸。さらしてしまっていた、を

　　　　きのうの。この汗、なに？

　　　美の翳りに、笑みの

　　　　信じら、…の。だった

　　　この、…信じて

　　　いま、惨劇が必要だ。なに？

　　　きみだけが苦笑を？

　　　　おれには。…あるいは

　　　も。べたつきさえ、精液の

　　　　埋まっ、屍体が。なに？

　　　きのうの。この汗、なに？

　　　　桜の樹のしたには

　　　信じら、…の。だった

　　　だから死屍が、

　　　いま、惨劇が必要だ。なに？

　　　　と。桜の花には

　　　おれには。…あるいは

　　　　美。仮構せよ

　　　埋まっ、屍体が。なに？

　　　　美だ、美だ。美だ、

　　　桜の樹のしたには

　　　信じら、…その滅び

　　　だから死屍が、

　　　　うすばかげろうたち。密集させていた

　　　と。桜の花には

　　　　死屍を、みなも

　　　美。仮構せよ

　　　　あの、…信じて

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　信じら、…その綺羅めき

　　　信じら、…その滅び

　　　　うすばかげろうたち。散らした

　　　うすばかげろうたち。密集させていた

　　　　躍動を、溪間

　　　死屍を、みなも

　　　　あの、…信じて

　　　あの、…信じて

　　　きみだけが苦悩を？

　　　信じら、…その綺羅めき

　　　　かがやき。体液の。維管束に吸われた、なに？

　　　うすばかげろうたち。散らした

　　　　あの桜の樹ら

　　　躍動を、溪間

　　　　信じら、…の。だった

　　　あの、…信じて

　　　臭気が。その、なに？

　　　きみだけが苦悩を？

　　　　と、食用肉。…いわば

　　　かがやき。体液の。維管束に吸われた、なに？

　　　　埋まっ、屍体が。なに？

　　　あの桜の樹ら

　　　　桜の樹のしたには

　　　信じら、…の。だった

　　　だから死屍が

　　　臭気が。その、なに？

　　　　と。桜の下には

　　　と、食用肉。…いわば

　　　　美。仮構せよ

　　　埋まっ、屍体が。なに？

　　　　美だ、美だ。美だ、

　　　桜の樹のしたには

　　　信じら、…美は

　　　だから死屍が

　　　　さらされるべき沈黙を

　　　と。桜の下には

　　　　美の頂点

　　　美。仮構せよ

　　　　その、…信じて

　　　美だ、美だ。美だ、

　　　きみだけがおびえを？

　　　信じら、…美は

　　　　安全カミソリさえ、も。なに？

　　　さらされるべき沈黙を

　　　　いつかのわたしの、

　　　美の頂点

　　　　信じら、…の。だった

　　　その、…信じて

　　　あのうつくしさが。なに？

　　　きみだけがおびえを？

　　　　信じられ、は。…しなかった

　　　安全カミソリさえ、も。なに？

　　　　埋まっ、屍体が。なに？

　　　いつかのわたしの、

　　　　桜の樹のしたには

　　　信じら、…の。だった

　　　あのうつくしさが。なに？

　　　信じられ、は。…しなかった

　　　埋まっ、屍体が。なに？

　　　桜の樹のしたには