梶井基次郎≪桜の樹の下には≫を主題とする詩とカノン;01 詩





梶井基次郎≪桜の樹の下には≫を主題とする詩とカノン;詩(一元)


   桜の樹のしたには

   なに?埋まっ、屍体が

   しなかった。…信じられ、は

   なに?うつくしさが。あの


   だった。…の、信じら

   わたしの、いつかの

   なに?安全カミソリさえ、も

   おびえを?きみだけが


   信じて。その

   頂点。美の

   さらされるべき沈黙を

   美は。…信じら


   美だ、美だ。美だ、

   美。仮構せよ

   桜の下には、と

   死屍が、だから


   桜の樹のしたには

   なに?埋まっ、屍体が

   いわば。…食用肉、と

   なに?臭気が、その


   だった。…の、信じら

   桜の樹ら。あの

   なに?維管束に吸われた体液のかがやき

   苦悩を?きみだけが


   信じて。あの

   溪間。躍動を

   散らしたうすばかげろうたち

   綺羅めき、その。…信じら


   信じて。あの

   みなも。死屍を

   密集させていたうすばかげろうたち

   滅び。その。…信じら


   美だ、美だ。美だ、

   美。仮構せよ

   桜の花には、と

   死屍が、だから


   桜の樹のしたには

   なに?埋まっ、屍体が

   あるいは、…おれには

   なに?惨劇が必要だ。いま


   だった。…の、信じら

   なに?汗、この。きのうの

   精液のべたつきさえ、も

   苦笑を?きみだけが


   信じて。この

   笑みの翳りに、美の

   を。さらしてしまっていた凡庸、を

   あざわらいなが、…も。信じら、と


   美だ、美だ。美だ、

   美。仮構せよ

   桜の樹のしたには

   なに?埋まっ、屍体が




梶井基次郎≪桜の樹の下には≫を主題とする詩とカノン;詩(反転)


   桜の樹のしたには

   なに?埋まっ、屍体が

   しなかった。…信じられ、は

   なに?うつくしさが。あの


   だった。…の、信じら

   わたしの、いつかの

   なに?安全カミソリさえ、も

   おびえを?きみだけが


   信じて。その

   頂点。美の

   さらされるべき沈黙を

   美は。…信じら


   美だ、美だ。美だ、

   美。仮構せよ

   桜の下には、と

   死屍が、だから


   桜の樹のしたには

   なに?埋まっ、屍体が

   いわば。…食用肉、と

   なに?臭気が、その


   だった。…の、信じら

   桜の樹ら。あの

   なに?維管束に吸われた体液のかがやき

   苦悩を?きみだけが


   信じて。あの

   溪間。躍動を

   散らしたうすばかげろうたち

   綺羅めき、その。…信じら


   信じて。あの

   みなも。死屍を

   密集させていたうすばかげろうたち

   滅び。その。…信じら


   美だ、美だ。美だ、

   美。仮構せよ

   桜の花には、と

   死屍が、だから


   桜の樹のしたには

   なに?埋まっ、屍体が

   あるいは、…おれには

   なに?惨劇が必要だ。いま


   だった。…の、信じら

   なに?汗、この。きのうの

   精液のべたつきさえ、も

   苦笑を?きみだけが


   信じて。この

   笑みの翳りに、美の

   を。さらしてしまっていた凡庸、を

   あざわらいなが、…も。信じら、と


   美だ、美だ。美だ、

   美。仮構せよ

   仮、…よ。美を

   美だ、美だ。美だ、


   あざわらいなが、…も。信じら、と

   を。凡庸。さらしてしまっていた、を

   美の翳りに、笑みの

   この、…信じて


   きみだけが苦笑を?

   も。べたつきさえ、精液の

   きのうの。この汗、なに?

   信じら、…の。だった


   いま、惨劇が必要だ。なに?

   おれには。…あるいは

   埋まっ、屍体が。なに?

   桜の樹のしたには


   だから死屍が、

   と。桜の花には

   美。仮構せよ

   美だ、美だ。美だ、


   信じら、…その滅び

   うすばかげろうたち。密集させていた

   死屍を、みなも

   あの、…信じて


   信じら、…その綺羅めき

   うすばかげろうたち。散らした

   躍動を、溪間

   あの、…信じて


   きみだけが苦悩を?

   かがやき。体液の。維管束に吸われた、なに?

   あの桜の樹ら

   信じら、…の。だった


   臭気が。その、なに?

   と、食用肉。…いわば

   埋まっ、屍体が。なに?

   桜の樹のしたには


   だから死屍が

   と。桜の下には

   美。仮構せよ

   美だ、美だ。美だ、


   信じら、…美は

   さらされるべき沈黙を

   美の頂点

   その、…信じて


   きみだけがおびえを?

   安全カミソリさえ、も。なに?

   いつかのわたしの、

   信じら、…の。だった


   あのうつくしさが。なに?

   信じられ、は。…しなかった

   埋まっ、屍体が。なに?

   桜の樹のしたには


2023.01.27.









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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