アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson；流波 rūpa -51 //沙羅。だから/その唐突な/あなたの目覚めに/ふれていたのだ//17

以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。

　　　窓の向こうには

　　　綺羅の散乱。そこに

　　　光り射すまま

　　　発光。海は

　　　綺羅。翳り

　　　陽炎のしたに

　　　逆光に。清潔に

　　　あかるみに、沙羅

　　　孤立を描いた

　　　沙羅。ひとり

　　　そこに、沙羅が

　　　孤立を描き

その背ぼねを、しかもおもむろに。…だれ？謂く、

　　　孤立を描いた

　　　　　　二の腕に

　　　　陽炎のしたに

　　　　　いやらしいほど

　　　沙羅。ひとり

　　　　　　いま

　　　　わたしはいぶいた

　　　　　汗が顎を

　　　逆光に、沙羅が

　　　　　　這い、白濁が、這い

　　　　息をはき

　　　　　脇をも

　　　孤立をあばき

孔。死者たち。それら、ゆがみ、しかも、ゆがみあヒだれ？孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、とろけ、しかも、とろけあヒだれ？孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、ゆらぎ、しかも、ゆらぎあヒだれ？孔。ふしだらな、孔。死者たち。謂く、

　　　孤立を傷み

　　　　　ひたい

　　　　息をすい

　　　　　　にじみ、綺羅めきが、にじみ

　　　まばたきに、わたしが

　　　　　うぶ毛？ぬれ

　　　　もう、放棄した

　　　　　　いま

　　　沙羅。ひとり

　　　　　うざったいほど

　　　　陽炎のしたに

　　　　　　胸もとに

　　　孤立を描いた

…だれ？おもむろに、しかも背ぼねを。その。謂く、

　　　ゆびさき。それが

　　　わたしの。沙羅

　　　ふれようとしていた

　　　ゆび。くちびるに

　　　さぐるように

　　　沙羅。それが

　　　しのびよるような

　　　ゆび。くちびるに

　　　沙羅の死体に

　　　ひらかれた、昏い

　　　くちびるに

　　　とまどい？

おもむろに、伸ばされようとしていた、彼の、背ぼねは、彼に、ん？…彼が。謂く、

　　　沙羅の死体に

　　　　　　ふれさえ

　　　　きみの体内を

　　　　　いたぶらなかった

　　　ひらかれた、昏い

　　　　　　なにも

　　　　なにが？

　　　　　やさしいまま、それ

　　　くちびるに

　　　　　　ふれさえも

　　　　なにがいたぶったというのだろう？

　　　　　いちどもきみを

　　　とまどい？

はじけあう死者たち。それら、ひずみ、謂く、

　　　ゆびさき。それが

　　　わたしの。沙羅

　　　なぐさめようとしていた

　　　ゆび。くちびるに

　　　さぐるように

　　　沙羅。それが

　　　いたわるような

　　　ゆび。くちびるに

　　　沙羅の死滅に

　　　くちはてた、昏い

　　　くちびるに

　　　軽蔑？

おもむろに、伸ばされきろうとしていた、彼の、背ぼねは、彼に、ん？…彼が。謂く、

　　　沙羅の死滅に

　　　　　　いりぐちで

　　　　きみは体内に

　　　　　ふれられなかった

　　　くちはてた、昏い

　　　　　　ただ

　　　　なにを？

　　　　　体内は、なににも

　　　くちびるに

　　　　　　つぶされていただけ。きみに

　　　　なにをたかぶらせたというのだろう？

　　　　　ぬらしただけ。きみが

　　　軽蔑？

ひずみあう死者たち。それら、だまれ、謂く、

　　　その温度まで

　　　手ざわりまで

　　　歯のしろさまで

　　　無言のままで

　　　残酷を、あなたに

　　　沙羅だけに

　　　あげよう。せめて

　　　そのくちびるに

いたみ。いたっ。いたみ。しかもやわらかな、やわらかすぎてもう、いたましいほど。いじらしいほど。いたいたしいほど。謂く、

　　　残酷を、あなたに

　　　　　　ほら

　　　　犠牲者の

　　　　　顎をあなたの

　　　沙羅だけに

　　　　　　壁に蜥蜴が

　　　　きみは

　　　　　汗がぬらし

　　　あげよう。せめて

　　　　　　壁を擬態した

　　　　苛酷な眉を

　　　　　だから

　　　そのくちびるに

だまれ、そこに死者たち。それら、ゆがみ、ゆがみあう死者たち。それら、とろけ、謂く、

　　　なぜ？…そこに

　　　沙羅。すでに

　　　笑みの苦悶が

　　　くちびるに

　　　なぜ？…そこに

　　　沙羅。わたしに

　　　わなないた笑みが

　　　ゆびさきに

　　　あきらかなふるえを

　　　とぎれとぎれに

　　　須臾のつらなり

　　　間歇的に

　　　その恍惚にまで

　　　忘我にまで

　　　唾液の綺羅で

　　　無言のままで

　　　残酷を、あなたに

　　　沙羅だけに

　　　あげよう。せめて

　　　その亡骸に

いたみ。いたっ。いたっ。み。しかもいっ。やわらかな、たっ。やわたっ。らっ。かすぎてもうたいっ、いたっ。ましいほど。いたっ。じらしいほど。いたっ。い？たしいほど。謂く、

　　　残酷を、あなたに

　　　　　　ほら

　　　　犠牲者の

　　　　　顎にあなたの

　　　沙羅だけに

　　　　　　もう未来など

　　　　きみは

　　　　　髪がなすられ

　　　あげよう。せめて

　　　　　　見えないだろうか？

　　　　追い詰められた眉を

　　　　　だから

　　　その亡骸に

　　　笑むべき意味など

　　　わずかにさえも

　　　沙羅。なにも

　　　かけらもないのに

　　　残酷を、あなたに

　　　沙羅だけに

　　　あげよう。せめて

　　　その殲滅に

垂直に。その骨格を。彼が。謂く、

　　　残酷を、あなたに

　　　　　　ほら

　　　　犠牲者の

　　　　　顎をあなたの

　　　沙羅だけに

　　　　　　壁に陽炎が

　　　　きみは

　　　　　ひたいがくすぐり

　　　あげよう。せめて

　　　　　　波紋を曲げた

　　　　無慚な鼻孔

　　　　　だから

　　　その殲滅に

とろけあう死者たち。それら、ゆらぎ、謂く、

　　　ささげる意味など

　　　須臾にさえも

　　　沙羅。なにも

　　　見つからないのに

　　　なぜ？…そこに

　　　沙羅は、ふいに

　　　すてられたように

　　　わすれられたように

　　　その死滅に

　　　残酷をあげた

　　　軽蔑をあげた

　　　その死屍に

垂直に。その骨格を。彼も。謂く、

　　　その死滅に

　　　　　　ほら

　　　　犠牲者

　　　　　そこに、だから

　　　残酷をあげるよ

　　　　　　わたしの息が屈辱を

　　　　きみ、ひとり

　　　　　汗が、あなたの

　　　軽蔑をあげるよ

　　　　　　ほら

　　　　留保なき

　　　　　だから、そこに

　　　その死屍に

そこに死者たち。それら、ゆがみ、ゆがみあう死者たち。それら、とろけ、とろけあう死者たち。それら、ゆらぎ、ゆらぎあう死者たち。それら、だまれ。謂く、

　　　無言のままで

　　　笑い聲さえたたないままで

　　　沈黙のままで

　　　見捨てたままで

だまれ。それら。死者たちゆらぎあヒ。ゆらぎ、それら。死者たちとろけあヒ、とろけ、それら。死者たちゆがみあヒ、ゆがみ、それら。死者たちそこに、謂く、

　　　その消尽に

　　　　　だから、そこに

　　　　留保なき

　　　　　　ほら

　　　軽蔑をあげるよ

　　　　　体液が、あなたの

　　　　おれこそが？

　　　　　　わたしの息が嘲笑を

　　　残酷をあげるよ

　　　　　そこに、だから

　　　　犠牲者

　　　　　　ほら

　　　その崩壊に

彼も。骨格を。その垂直に。謂く、

　　　ゆびさき。それが

　　　わたしの。沙羅

　　　ふれようとしていた

　　　ゆび。くちびるに

　　　たしかめるように

　　　沙羅。それが

　　　いたぶるような

　　　ゆび。くちびるに

　　　沙羅。その瓦解に

　　　いちどの引き攣け

　　　くちびるに

　　　厭い

嘆息せずにはいられない。たとえそれがやや唐突な感傷とさえ彼に思われ、そしてたしかに事実そうだとこそおもわれながらもただ、この望み薄き世界よ、と。謂く、

　　　沙羅の瓦解に

　　　　　　肌に、温度が

　　　　感じなかった

　　　　　ささやくべき、なんら

　　　いちどの引き攣け

　　　　　　発されたから

　　　　ぼくたちは、しかも

　　　　　いうべき、なんら

　　　くちびるに

　　　　　　ほのめかされたから

　　　　猶も、なにも

　　　　　聞かせるべき、なんら

　　　厭い

　　　ゆびさき。それが

　　　わたしの。沙羅

　　　嫌悪していた

　　　ゆび。くちびるに

　　　なじるように

　　　沙羅。それが

　　　思い出すような

　　　接触を、皮膚に

　　　沙羅。そのまなざしに

　　　いのちを、ふたたび

　　　目覚めを、沙羅に

　　　その肉に

ん？謂く、

　　　沙羅のまなざしに

　　　　　　執拗に、きみは

　　　　ゆらがなかった

　　　　　ささやくべき、なんら

　　　いのちを、ふたたび

　　　　　　黄泉がえる。きみが

　　　　ぼくたちは、しかも

　　　　　いうべき、なんら

　　　目覚めを、沙羅に

　　　　　　きみだけが

　　　　猶も、なにも

　　　　　聞かせるべき、なんら

　　　その肉に

つぶれあう死者たち。それら、ひらき、謂く、

　　　滅びた皮膚に

　　　昏んだ、いのち

　　　いまだあたたかみ

　　　息づきつづけて

　　　たしかな滅びに

　　　あざやかな、いのち

　　　消え去りもせずに

　　　いぶきつづけて

嘆息せずにはいられなかったのだった。思えばたとえ、それがやや唐突な感傷とのみ彼に思われていたにしろ、そしてたしかに事実としてそうだ、そうに違いない、これはわたしの感傷だったのであるとこそおもわれていたものだったのだが、そのような状態のなかであるいはただこの望み薄き世界よ、と。謂く、

　　　息づきつづけて

　　　　　　須臾にも、ぼくたちは

　　　　動じなかった

　　　　　ささやくべき、なんら

　　　昏んだ、いのち

　　　　　　やめないのだった

　　　　ぼくたちは、しかも

　　　　　いうべき、なんら

　　　あざやかな、いのち

　　　　　　その貪りを、ただ

　　　　猶も、なにも

　　　　　聞かせるべき、なんら

　　　いぶき

ひずみあう死者たち。それら、だまれ、謂く、

　　　ゆびさき。それが

　　　わたしの。沙羅

　　　醒まそうとしていた

　　　ゆび。肉体に

　　　いらだつように

　　　沙羅。それが

　　　逡巡していた

　　　ゆび。くちびるに

　　　沙羅の陶酔に

　　　呼び起こすように

　　　その渾沌に

　　　くちびるに

　　　もう、かたちさえ

　　　おしつぶれるまで

　　　いたぶる（さいなむ）ように

　　　いじめるように

ん？謂く、

　　　もう、かたちさえ

　　　　　　つぶして。いま

　　　　ひらかれた、口蓋

　　　　　ぼくたちの、羞恥

　　　おしつぶれるまで

　　　　　　そのゆびさきで

　　　　くちびるにも

　　　　　爪のさき、そっと

　　　いたぶる（さいなむ）ように

　　　　　　恥辱。ぼくたちの

　　　　翳り。ふいうちに

　　　　　はじいて。いま

　　　いじめるように

ゆがみあう死者たち。それら、とろけ、謂く、

　　　ゆびさき。それが

　　　わたしの。沙羅

　　　穢そうとしていた

　　　ゆび。くちびるに

　　　たくらみ。ゆびに

　　　せめて、温度を

　　　沙羅。移そうと

　　　くちびるにだけに

　　　あたたかみ。皮膚に

　　　沙羅。なすろうと

　　　せめて、猶も

　　　たくらむ。ゆびに

　　　無言のままに

　　　沙羅。くちびるに

　　　ふれそうなそこに

　　　あやういそこに

見蕩れかけていた彼が、ふと、見蕩れそうにな。謂く、

　　　恍惚が、ただいとわしい

　　　　　　発熱

　　　　なに？な

　　　　　したたらせないで

　　　他人の忘我

　　　　　　肌が、そして

　　　　なにをいま

　　　　　もう、きみは

　　　耐えられないにくしみ

　　　　　　体液も

　　　　あなたは？

　　　　　死んだから

　　　いらだち。けがらわしい

　　　いぶきを沙羅は

　　　　　　くちづけさえ

　　　　抱きしめられれば

　　　　　擬態

　　　ここに、沙羅。いま

　　　　　　偽善にだけ

　　　　しあわせだった？

　　　　　おなじような

　　　ぶちこわそうか？

　　　　　　似た

　　　　あざむきもなく

　　　　　きみの陶酔と

　　　ひとりだけのその死をも

ふしだらな、孔。死者たち。それら、とろけ、しかも、とろけあヒだれ？孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、ゆらぎ、しかも、ゆらぎあヒだれ？孔。ふしだらな、孔。死者たち。謂く、

　　　無視したままに

　　　沙羅。そのすべて

　　　あなたのすべて

　　　逸らし目のまま

死者たち。孔。ふしだらな、孔。だれ？ゆらぎあヒしかも、ゆらぎ、それら、死者たち。孔。ふしだらな、孔。だれ？とろけあヒしかも、とろけ、それら、死者たち。孔。ふしだらな、謂く、

　　　ひとりだけのその自死を

　　　　　きみの恍惚と

　　　　あわれみなく

　　　　　　似た

　　　ぶちこわそうか？

　　　　　おなじような

　　　　しあわせだった？

　　　　　　擬態にだけ

　　　ここに、沙羅。いま

　　　　　偽善

　　　　抱きしめられれば

　　　　　　くちづけさえ

　　　いぶきを沙羅は

　　　いらだち。けがらわしい

　　　　　終わったから

　　　　あなたは？

　　　　　　体液も

　　　耐えられないにくしみ

　　　　　もう、きみは

　　　　なにをいま

　　　　　　骨さえ、そして

　　　他人の忘我

　　　　　もらさないで

　　　　なに？な

　　　　　　発熱

　　　恍惚が、ただいとわしい

見蕩れそうになっていた。ふと、彼が見蕩れか。謂く、