アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -20
この長編小説は、詩と散文を統合しようとした試みのひとつです。
もっとも、詩と散文を統合するというのに、なにか積極的な意味を感じているわけではありません。そっちのほうが面白いだろうという程度です。
内容としては、まず父と子の物語。≪わたし≫には認知もしていない男の子がいる。その子とは年に一度あう程度である。大きくなるに従って、その子に右傾化がはじまる。SNSで盛んに騒ぎ立てているらしい。そんなタイプとも思えないので、育ての家族も≪わたし≫も気がかりである、と。
次に、子と父、または母の物語。≪わたし≫はある特殊な状況下で生み出された子供である。その、育ての親との葛藤。やがて、≪わたし≫はその育ての父の転生したものと思しき人物に会いに行く。
また、≪わたし≫と妻、つまり夫婦間の物語。同時に、外国暮らしの≪わたし≫のかかわった、ある少女との物語。以上の要素、また、それ以外の要素が絡まり合いながら、進行します。
もともとは、以前書いた≪櫻、三月の雪≫という小説があって、それを書き直そうとしたものです。⇩
また、あからさまな元ネタがあって、要する三島の≪豊饒の海≫なのですが、あれをベースにした展開になっています。
読んでいただければ嬉しいです。
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
アラン・ダグラス・デイヴィッドソンAllan Douglas Davidsonその絵。その印象。謂く、
ふり返らないで
見ないで
ぼくを
ぼくも
見ないから
だれも
ひとりも
見はしないから
あなたは目隠しされたまま、たとえば…なに?わたしの体内に溶けかけていた体液の…ん?動揺をゆびさきに感じはじめた夢を見…なぜ?見ていたのだろう。そう、さなぎ殻のなかに。謂く、
見ないから
もうすぐ
きみの、き。体内に
憂鬱を知り
蝶も
ぼくらが
血が、…ん?そっと
ぼ。…ん?く、…ん?らが
猫も
倦怠を。そこに、咬み
冴えただろう
もうすぐ
見はしないから
謂く、
して。ひとりで
していて
しない
ぼくは、ふれさえ
あなたはうしろ手にじぶんを…ん?縛ったまま、たとえば…ね?わたしの肌のいぶかせたうる…ね、うるおいにね、ね、ね、うずく夢を見ていたのだろう。そう、さなぎ殻の唐突な裂けめに。謂く、
して。ひとりで
知ってる?
うもれていいよ
削いでいた。爪を
していて
蝶。蝶がいま
まるで屠ら…なぜ?れ、たかに
かたむき、猫は
しない
羽根を燃やした
うずもれていいよ
知ってる?
ぼくは、ふれさえ
ゆびさえ、撫ぜさえ
知ってる?
気絶していいよ
爪を削いでいた
ぼくに
蝶がいま
まるでほ。貪られたかに
猫。ふと、かたむき…ね?
していて
羽根を…ん?燃や
気絶していていいよ
知ってる?
して。そこで
謂く、
聞きさえ
わたしは
あげていて
声を。ひとりで
微風。蝶と猫のもつれあった、そして五感のないキメラがほら。…ね?飛びたった須臾に、ほら。…ね?咬みちぎられていたよ。虹色の蛾に、そう。さなぎ殻。その垂直のうえに。謂く、
聞きさえ
知っ
ひとりで、きみが
ぬいだ。甲殻をぬいだ
わたしは
蝶。いま
凌辱していた
ななめに、猫が
あげていて
生やした。きっ。牙をきっ
翳りに。その
知ってる?
声を。ひとりで
もだえて。ひとりで
知ってる?
そのあかるみに
牙を生やんでる?や、や、病ん
のけぞって
猫…ん?ななめに
自滅し…ん?し、かけた
蝶がいま
わたしは
甲殻をぬばたまの、夜。夜には
ひとりできみが
知ってる?
聞きさ
謂く、
捉えならないのだった
絶望に似た
翳る
きみだけに。き
色彩さえ
恍惚は、さ。だからん…
まなざしが
ん…陶酔は
色彩さえ
きみだけに
ふと…ん?
に。屈辱に似
知られなかったのだった
謂く、
聞きさえ
知ってる?
きみがひとりで
触手をなめ、きみがひと
わたしは
蝶がいま
自滅しかけた
猫。猫。猫…ね?かかとに
のけぞって
複眼をとかしかけたのだ。しかも
あかるみに、その
知ってる?
もだえて。ひとりで
声を。ひとりで
知ってる?
その翳りに
複眼を、と。…ん?
あげていて
猫がかかとに
凌辱していた
蝶。いま、ま蝶が
わたしは
ん…触手をなめあげ、な、なめあげな、な、なめあ
きみがひとりで
知ってる?
聞きさえ
謂く、その垂直のうえに。さなぎ殻。そう。虹色の蛾に、咬みちぎられていたよ。…ね?ほら。飛びたった須臾に、…ね?そして五感のないキメラがほら。蝶と猫のもつれあった、微風。
声を。ひとりで
あげていて
わたしは
聞きさえ
謂く、
して。そこで
知ってる?
気絶していても、いいんだっ
羽根を燃やぎち咬みちぎだっ。たんだったっやわらかな羽根を
していて
水平に、猫がに?猫なに?移動
まるで穢されたかに
蝶は、いま
ぼくに
爪を水平に大気にす爪を。すべる塵のように
気絶して、い
知ってる?
ゆびさえ、撫ぜさえ
ぼくは、ふれさえ
知ってる?
うずもれていいよ
羽根を燃やした
しない
かたむき、猫が
まるでほふっ。む。葬られたかに
蝶は、いま、ま
していて
爪を…なぜ?削い
うもれてん…いいよ
知ってる?
して。ひとりで
謂く、さなぎ殻の唐突な裂けめに。そう、うずく夢を見ていたのだろう。ね、ね、わたしの肌のいぶかせたうるおいに…ね、たとえば…ね?縛ったまま、…ん?あなたはうしろ手にじぶんを
ぼくは、ふれさえ
しない
していて
して。ひとりで
謂く、
見はしないから
もうすぐ
冴えただろう
倦怠をかっ。か
猫も
ぼくらが
血が
だれ?…だっ
蝶も
知る。憂鬱を、そして知り
体内。きみの体内に
もうすぐ。も
見ないから
謂く、さなぎ殻のなかに。そう、見ていたのだろう。…なぜ?そっと聞き耳をたて…ん?たてた夢を…ん?わたしの体内に溶けかけた体液のひびきたち。たとえば、あなたは目隠しされたまま、
見はしないから
ひとりも
だれも
見ないから
ぼくも
ぼくを
見ないで
ふり向かないで
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