流波 rūpa ……詩と小説177・流波 rūpa 癡多 citta ver.1.01 //…見て/なにを?/見ていた/いつ?;伽多





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   それはユエン

      ひざま附き

    だから

     …なにを?

   可憐な女

      うずめた

    沙羅は

     うずめた

   噓のように

      …なにを?

    その唇を

     ひざま附き

   下手くそな


   デッサン

      顏を

    舐めて

     わたしは

   デフォルメの過剰

      …だれ?

    なぜ?

     …だれ?

   色めきの過多

      わたしは

    沙羅

     顏を

   いやらしい体


   それはユエン

      ひざま附き

    だから

     …なに?

   清潔なひと

      うずめたのだった

    沙羅は

     うずめたのだった

   こどものように

      …なに?

    目を閉じたまま

     ひざま附き

   下手くそな


   発聲の媚び

      腹部、その

    味わうように

     沙羅に

   すぎた低佪

      …だれ?

    なぜ?

     …だれ?

   舌さきのあまえ

      沙羅に

    沙羅

     腹部、その

   母国語でさえ


   だからユエン

      ひざま附き

    だから

     …なぜ?

   美貌という顏

      砂に

    沙羅は

     砂に

   おそろしいくらいに

      …なぜ?

    ほほ笑んだまま

     ひざま附き

   完璧すぎて


   冗談にすぎず

      思い切り

    撫ぜるように

     わたしは

   幻術師の見せた

      …なに?

    なぜ?

     …なに?

   幻の見た夢

      わたしは

    沙羅

     思い切り

   虛構にすぎず


   それがユエン

      ひざま附き

    だから

     …なにを?

   だれの噓?

      嗅いだ

    沙羅は

     嗅いだ

   だれについた噓?

      …なにを?

    その舌を

     ひざま附き

   眞実をだけ語ったときも


   すべて、噓に似た

      沙羅。その

    突き刺すように?

     惡臭を

   もし、ささやけば

      …だれ?

    なぜ?

     …だれ?

   現実さえ

      惡臭を

    沙羅

     沙羅。その

   蜃気楼になる


   もしささやけば

      やわらかな

    死者ら

     下腹部

   ユエン、その舌

      腹部

    その翳り

     腹部

   蜃気楼さえ

      下腹部

    その向こうに

     やわらかな

   砂利になる


   もしささやけば

      それら

    沙羅

     笑った?…沙羅

   ユエンの、唇

      息遣い

    その翳り

     息遣い

   砂利ひとつさえ

      笑った?…沙羅

    そのこちらに

     それら

   白虹になる


   もしささやけば

      やわらかな

    死者ら

     内臓の

   ユエン、その口

      肌

    その翳り

     肌

   白虹さえ

      内臓の

    かさなりながら

     やわらかな

   草の根になる


   それはユエン

      それら

    沙羅

     笑った?…沙羅

   あかるい女

      息吹き

    その翳り

     息吹き

   智慧のない

      笑った?…沙羅

    ふれあいもせず

     それら

   猨のように


   こわれた人?

      思った

    描いた

     沙羅、と

   笑むしかできない

      …だれが?

    沙羅は

     …だれ?

   感性の破綻?

      沙羅、と

    舌の先に

     思った

   ほほ笑み人形。いつでも


   やさしい人?

      思った

    傾け

     燃え盡きてしまおう、と

   肌燒かれても?

      …なぜ?

    沙羅は

     …なぜ?

   感情の破綻?

      燃え盡きてしまおう、と

    いびつな

     思った

   ほほ笑み人形。いつでも


   不穏な人?

      思った

    丸?

     日差しの直射

   眼玉抜かれても?

      …いつ?

    沙羅

     …いつ?

   知覚の破綻?

      日差しの直射

    舌の先は

     思った

   ほほ笑み人形。いつでも


   いびつな人?

      思った

    引き攣り

     さざなみのひびき

   舌ちぎられても?

      …なに?

    沙羅

     …なに?

   識別の破綻?

      さざなみのひびき

    唾液の綺羅

     思った

   ほほ笑み人形。いつでも


   だからユエンは笑んだ

      沙羅、いま

    うす目をあけた

     まさに、いま

   だれよりも清楚に

      燃えあがってしまおう

    それは沙羅

     燃えあがってしまおう

   だれよりもみだらに

      まさに、いま

    なにが?

     沙羅、いま

   その肉をふるわせ


   その肌を息吹かせ

      まさに、いま

    沙羅

     沙羅、いま

   だれよりもみだらに

      燃えあがってしまおう

    おかしいの?

     燃えあがってしまおう

   だれよりも清楚に

      沙羅、いま

    沙羅

     まさに、いま

   だからユエンは笑んだ


   ほほ笑み人形。いつでも

      さざなみのひびき

    なにが?

     思った

   識別の破綻?

      …なに?

    それは沙羅

     …なに?

   舌ちぎられても?

      思った

    うす目をあけた

     さざなみのひびき

   いびつな人?


   ほほ笑み人形。いつでも

      日差しの直射

    唾液の綺羅

     思った

   知覚の破綻?

      …いつ?

    沙羅

     …いつ?

   眼玉抜かれても?

      思った

    引き攣り

     日差しの直射

   不穏な人?


   ほほ笑み人形。いつでも

      燃え盡きてしまおう、と

    舌の先は

     思った

   感情の破綻?

      …なぜ?

    沙羅

     …なぜ?

   肌燒かれても?

      思った

    丸?

     燃え盡きてしまおう、と

   やさしい人?


   ほほ笑み人形。いつでも

      沙羅、と

    いびつな

     思った

   感性の破綻?

      …だれが?

    沙羅は

     …だれが?

   笑むしかできない

      思った

    傾け

     沙羅、と

   こわれた人?


   猨のように

      笑った?…沙羅

    舌の先に

     それら

   智慧のない

      息吹き

    沙羅は

     息吹き

   あかるい女

      それら

    描いた

     笑った?…沙羅

   それはユエン


   草の根になる

      内臓の

    ふれあいもせず

     やわらかな

   白虹さえ

      肌

    その翳り

     肌

   ユエン、その口

      やわらかな

    沙羅

     内臓の

   もしささやけば


   白虹になる

      笑った?…沙羅

    かさなりながら

     それら

   砂利ひとつさえ

      息遣い

    その翳り

     息遣い

   ユエンの、唇

      それら

    死者ら

     笑った?…沙羅

   もしささやけば


   砂利になる

      下腹部

    そのこちらに

     腹部

   蜃気楼さえ

      やわらかな

    その翳り

     やわらかな

   ユエン、その舌

      腹部

    沙羅

     下腹部

   もしささやけば


   蜃気楼になる

      惡臭を

    その向こうに

     沙羅。その

   現実さえ

      …だれ?

    その翳り

     …だれ?

   もし、ささやけば

      沙羅。その

    死者ら

     惡臭を

   すべて、噓に似た


   眞実をだけ語ったときも

      …なにを?

    沙羅

     ひざま附き

   だれについた噓?

      嗅いだ

    なぜ?

     嗅いだ

   だれの噓?

      ひざま附き

    突き刺すように?

     …なにを?

   それがユエン


   虛構にすぎず

      わたしは

    その舌を

     思い切り

   幻の見た夢

      …なに?

    沙羅は

     …なに?

   幻術師の見せた

      思い切り

    だから

     わたしは

   冗談にすぎず


   完璧すぎて

      …なぜ?

    沙羅

     ひざま附き

   おそろしいくらいに

      砂に

    なぜ?

     砂に

   美貌という顏

      ひざま附き

    撫ぜるように

     …なぜ?

   だからユエン


   母国語でさえ

      沙羅に

    ほほ笑んだまま

     腹部、その

   舌さきのあまえ

      …だれ?

    沙羅は

     …だれ?

   すぎた低佪

      腹部、その

    だから

     沙羅に

   発聲の媚び


   下手くそな

      …なに?

    沙羅

     ひざま附き

   こどものように

      うずめたのだった

    なぜ?

     うずめたのだった

   清潔なひと

      ひざま附き

    味わうように

     …なに?

   それはユエン


   いやらしい体

      わたしは

    目を閉じたまま

     顏を

   色めきの過多

      …だれ?

    沙羅は

     …だれ?

   デフォルメの過剰

      顏を

    だから

     わたしは

   デッサン


   下手くそな

      …なにを?

    沙羅

     ひざま附き

   噓のように

      うずめた

    なぜ?

     うずめ

   可憐な女

      ひざま附き

    舐めて

     …な

   それはユエン










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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