流波 rūpa ……詩と小説165・流波 rūpa 癡多 citta ver.1.01 //…見て/なにを?/見ていた/いつ?;伽多





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   …見て

   なにを?

   見ていた

   いつ?


   いま

   だれ?

   ひとりで

   だから


   …見て

   なにを?

   見ていた

   どこ?


   いつも

   だれ?

   ひとりで

   見い出すのは


   …見て

   なにを?

   見ていた

   だれ?


   すでに

   だれ?

   ひとりで

   言葉さえ


   見うしなって、もう

   あまりにも多く

   あまりにも厖大

   量るべくもなく


   沈黙を、だから

   わたしたちは

   だから、もう

   失神


   言葉は

   失神

   …なに?

   だから、もう


   沈黙を

   わたしたちは

   いつでも、もう

   失神


   眼差しは

   失神

   …なに?

   なにも


   見い出しもせずに

   …なに?

   朝燒け

   たとえば


   その夜の

   崩壞の色ら

   その壞滅ら

   たとえば、赤裸々


   …なに?

   擦り附けられた

   雲。かたち、それら

   たとえば


   …なに?

   ひめられた

   きざし。あからさまな

   たとえば


   …なに?

   ふいの失踪

   日差し。翳り、それら

   たとえば

  

   …なに?

   すでに?いま?…消え

   気配。わずかな、それは

   たとえば


   …なに?

   光りら。夜明けの

   月。…しろ。その

   たとえば


   …なに?

   死者ら。それら

   色彩もない

   翳りら


   見て

   …なに?

   見ていた

   いつ?


   いま

   だれ?

   ひとりで

   だから


   気づけば

   陽炎。いま

   朝燒けさえ

   滅びたあと


   気づけば

   陽炎。いま

   夜明けの時さえ

   滅びたあと


   見て

   …なにを?

   見ていた

   いつ?


   いま

   だれ?

   ひとりで

   だから


   息をひそめ

   なぜ?

   たぶん

   わたしは、もう


   燃え盡きていたから

   もう、すでに

   …だれ?

   わたしは、もう


   滅びきっていたから

   もう、すでに

   …いつ?

   わたしは、もう


   存在さえ

   もう、すでに

   …なぜ?

   わたしは、もう


   跡形もなく

   痕跡も

   なにも

   わたしは


   だれ?

   ささやくのは

   …見て

   なにを?


   見ていた

   …いつ?

   いま

   だれ?


   ひとりで

   だから

   だれ?

   ささやくのは


   ささやき

   ささやきつづけ

   ささやきはじめ

   ささやきやまず


   とめどなく

   ささやきはじめも

   ささやきなど

   ささやかれさえ


   ささやかれなど

   ささやきおわらず

   ささやきはせず

   ささやかれも


   ささやかれは

   ささやきもせず

   ささやきおわらず

   ささやかれなど


   ささやかれさえ

   ささやきなど

   ささやきはじめも

   とめどなく


   ささやきやまず

   ささやきはじめ

   ささやきつづけ

   ささやき


   ささやくのは

   だれ?

   だから

   ひとりで


   だれ?

   いま

   …いつ?

   見ていた


   なにを?

   …見て

   ささやくのは

   だれ?


   わたしは

   なにも

   痕跡も

   跡形もなく


   わたしは、もう

   …なぜ?

   もう、すでに

   存在さえ


   わたしは、もう

   …いつ?

   もう、すでに

   滅びきっていたから


   わたしは、もう

   …だれ?

   もう、すでに

   燃え盡きていたから


   わたしは、もう

   たぶん

   なぜ?

   息をひそめ


   だから

   ひとりで

   だれ?

   いま


   いつ?

   見ていた

   …なにを?

   見て


   滅びたあと

   夜明けの時さえ

   陽炎。いま

   気づけば


   滅びたあと

   朝燒けさえ

   陽炎。いま

   気づけば


   だから

   ひとりで

   だれ?

   いま


   いつ?

   見ていた

   …なにを?

   見て


   翳りら

   色彩もない

   死者ら。それら

   …なに?


   たとえば

   月。…しろ。その

   光りら。夜明けの

   …なに?


   たとえば

   気配。わずかな、それは

   すでに?いま?…消え

   …なに?


   たとえば

   日差し。翳り、それら

   ふいの失踪

   …なに?


   たとえば

   きざし。あからさまな

   ひめられた

   …なに?


   たとえば

   雲。かたち、それら

   擦り附けられた

   …なに?


   たとえば、赤裸々

   その壞滅ら

   崩壞の色ら

   その夜の


   たとえば

   朝燒け

   …なに?

   見い出しもせずに


   なにも

   …なに?

   失神

   眼差しは


   失神

   いつでも、もう

   わたしたちは

   沈黙を


   だから、もう

   …なに?

   失神

   言葉は


   失神

   だから、もう

   わたしたちは

   沈黙を、だから


   量るべくもなく

   あまりにも厖大

   あまりにも多く

   見うしなって、もう


   言葉さえ

   ひとりで

   だれ?

   すでに


   だれ?

   見ていた

   なにを?

   …見て


   見い出すのは

   ひとりで

   だれ?

   いつも


   どこ?

   見ていた

   なにを?

   見て


   どこ?

   見ていた

   なにを?

   …見て


   だから

   ひとりで

   だれ?

   いま


   いつ?

   見ていた

   なにを?

   …見て










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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