流波 rūpa ……詩と小説003・伽多
以下、一部に暴力的な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
以下は詩。もしくは、この10月から書いてる長い小説と、11月に書いた中編小説のシノプシス、或はテーマ。
小説の概要は、ベトナム在住のわたしが十六歳/十八歳の少年/少女に出会う。彼/彼女は売春をしている男/女で、その名前も素性も知れない。だから、わたしは彼/彼女を沙羅と名づけた。共通言語はなにもない。そしてわたしにさまざまな記憶が想起される。
般若經・中論・唯識論をベースにしたもの。
詩は、詩本編と、複声部のパーツふたつ、及び二声の詩と四声の詩。
十偈の伽多
ゆらぐ。何?
陽炎。それら
色彩ら
色などもはや
すでに、沙羅
その哄笑。何故?
沙羅、ほら
ひとり
息遣い
聲の漏れ
唇に。沙羅
沙羅はいま
咬みちぎるように?
笑み、沙羅、綺羅ら
昏い眸に
綺羅、昏いまま
虹彩。綺羅ら
陽炎ら、それら
色彩ら、不在
綺羅ら、沙羅
沙羅、綺羅ら
色彩ら、不在
陽炎ら、それら
虹彩。綺羅ら
綺羅、昏いまま
昏い眸に
笑み、沙羅、綺羅ら
咬みちぎるように?
沙羅はいま
唇に、沙羅
聲の漏れ
息遣い
ひとり
沙羅、ほら
その哄笑。——何故?
すでに、沙羅
色などもはや
色彩ら
陽炎。それら
ゆらぐ。何?
〇1
ふるえるよ
沙羅
ふるえるよ
たゆたうよ
沙羅
たゆたうよ
ほほ笑みのよう
顏のない
ほほ笑みのよう
消えたよ
もう、沙羅
星さえも
終わった
もう、沙羅
夜さえも
わたしたちの夜
わたしたちさえ
終わったよ
星さえも
もう、沙羅
消えたよ
ほほ笑みのよう
顏のない
ほほ笑みのよう
たゆたうよ
沙羅
たゆたうよ
ふるえるよ
沙羅
ふるえるよ
〇2
孕む
破滅
いま
明かす
殲滅
いま
見て
朝焼け
あざやかな
見て
朝焼け
燃える
紅蓮さえ
消えた
すでに
すでに
消えた
紅蓮さえ
燃える
朝焼け
見て
あざやかな
朝焼け
見て
いま
殲滅
明かす
いま
破滅
孕む
●二聲の伽多
ゆらぐ。何?
ふるえるよ
陽炎。それら
沙羅
色彩ら
ふるえるよ
色などもはや
すでに、沙羅
たゆたうよ
その哄笑。何故?
ほら
沙羅、見て
たゆたうよ
ひとり
息遣い
ほほ笑みのよう
聲の漏れ
顏のない
唇に。沙羅
ほほ笑みのよう
沙羅はいま
咬みちぎるように?
消えたよ
笑み、沙羅、綺羅ら
もう、その
昏い眸に
星さえも
綺羅、昏いまま
虹彩。綺羅ら
終わったよ
陽炎ら、それら
もう
色彩ら、不在
夜さえ
綺羅ら、沙羅
沙羅、綺羅ら
わたしたちの夜
色彩ら、不在
わたしたちさえ
陽炎ら、それら
終わったよ
虹彩。綺羅ら
綺羅、昏いまま
星さえも
昏い眸に
もう、沙羅
笑み、沙羅、綺羅ら
消えたよ
咬みちぎるように?
沙羅はいま
ほほ笑みのよう
唇に、沙羅
顏のない
聲の漏れ
ほほ笑みのよう
息遣い
ひとり
たゆたうよ
沙羅、見て
ほら
その哄笑。何故?
たゆたうよ
すでに、沙羅
色などもはや
ふるえるよ
色彩ら
沙羅
陽炎。それら
ふるえるよ
ゆらぐ。何?
●四聲の伽多
ゆらぐ。何?
孕め
ふるえるよ
いま
陽炎。それら
破滅
沙羅
破滅
色彩ら
いま
ふるえるよ
孕め
色などもはや
すでに、沙羅
明かせ
たゆたうよ
いま
その哄笑。何故?
殲滅
ほら
殲滅
沙羅、見て
いま
たゆたうよ
明かせ
ひとり
息遣い
見て
ほほ笑みのよう
あざやかな
聲の漏れ
朝燒け
顏のない
朝燒け
唇に。沙羅
あざやかな
ほほ笑みのよう
見て
沙羅はいま
咬みちぎるように?
見て
消えたよ
燃える
笑み、沙羅、綺羅ら
朝燒け
もう、その
朝燒け
昏い眸に
燃える
星さえも
見て
綺羅、昏いまま
虹彩。綺羅ら
紅蓮さえ
終わったよ
すでに
陽炎ら、それら
消えた
もう
消えた
色彩ら、不在
すでに
夜さえ
紅蓮さえ
綺羅ら、沙羅
沙羅、綺羅ら
すでに
わたしたちの夜
紅蓮さえ
色彩ら、不在
消えた
わたしたちさえ
消えた
陽炎ら、それら
紅蓮さえ
終わったよ
すでに
虹彩。綺羅ら
綺羅、昏いまま
燃える
星さえも
見て
昏い眸に
朝燒け
もう、沙羅
朝燒け
笑み、沙羅、綺羅ら
見て
消えたよ
燃える
咬みちぎるように?
沙羅はいま
あざやかな
ほほ笑みのよう
見て
唇に、沙羅
朝燒け
顏のない
朝燒け
聲の漏れ
見て
ほほ笑みのよう
あざやかな
息遣い
ひとり
いま
たゆたうよ
明かせ
沙羅、見て
殲滅
ほら
殲滅
その哄笑。何故?
明かせ
たゆたうよ
いま
すでに、沙羅
色などもはや
いま
ふるえるよ
孕め
色彩ら
破滅
沙羅
破滅
陽炎。それら
孕め
ふるえるよ
いま
ゆらぐ。何?
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