流波 rūpa ……詩と小説001・二十九の詩と散文による流波 rūpa 伽多
以下、一部に暴力的な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
以下は詩。もしくは、この10月から書いてる長い小説と、11月に書いた中編小説のシノプシス、或はテーマ。
小説の概要は、ベトナム在住のわたしが十六歳/十八歳の少年/少女に出会う。彼/彼女は売春をしている男/女で、その名前も素性も知れない。だから、わたしは彼/彼女を沙羅と名づけた。共通言語はなにもない。そしてわたしにさまざまな記憶が想起される。
般若經・中論・唯識論をベースにしたもの。
詩は、詩本編と、複声部のパーツふたつ、及び二声の詩と四声の詩。
流波 rūpa 伽多
褐色の
あざやかに色づく
それは沙羅、その
色彩に名づけた
沙羅と。…沙羅
何故?
その花は白
白く、ただ、白く散るから
その目は昏く
ほほ笑んでさえも
狂暴の綺羅
その狂いに名づけた
沙羅と。…沙羅
何故?
その花は白
白く、ただ、白く散るから
笑う沙羅は
沙羅は癡呆
知性などない
その恥辱に名づけた
沙羅と。…沙羅
何故?
その花は白
白く、ただ、白く散るから
何を見る?沙羅
そのまなざしに、侮辱以外に
そのくちびるに、軽蔑以外に
何を知る?沙羅
白く、ただ、白く散るから
その花は白
何故?
沙羅と。…沙羅
その恥辱に名づけた
知性などない
沙羅は癡呆
笑う沙羅は
白く、ただ、白く散るから
その花は白
何故?
沙羅と。…沙羅
その狂いに名づけた
狂暴の綺羅
ほほ笑んでさえも
その目は昏く
白く、ただ、白く散るから
その花は白
何故?
沙羅と。…沙羅
その色彩に名づけた
それは沙羅、いま
あざやかに色づく
褐色の色ら
綺羅ら、沙羅
散る綺羅散り沙羅
綺羅ら散る沙羅
沙羅ら、綺羅
○1
焰たち
燃える雨は
ふりそそぐ
目などないよ
誰れもがないよ
ただの孔
干からびた風
風の発火
卷き上がる
口などないよ
誰れもがないよ
ただの孔
空に墜ちた
もう、ほら青い
燃え立つ海は
顏さえないよ
誰れもがないよ
ただの孔
正気のふり
ほら
まともなふり
ただの孔
誰れもいないよ
顏さえないよ
燃え立つ海は
もう、ほら青い
空に墜ちた
ただの孔
誰れもいないよ
口などないよ
卷き上がる
風の発火
干からびた風
ただの孔
誰れもいないよ
目などないよ
ふりそそぐ
燃える雨は
焰たち
見てほらすてき
きらきらすてき
見てほらみんな
○2
うつくしい
かけがえもない
ひたすらに
あなたは綺羅めき
ただ留保もなく
うつくしい
うつくしい
痛ましいほど
無慚なほど
あなたはかがやき
ただ留保もなく
うつくしい
うつくしい
泣き叫ぶほど
むごたらしいほど
あなたはイノチ
この世の光り
うつくしい
生きて
うつくさそのもの
生きてなぜなら
うつくしい
あまりに貴い
あなたはイノチ
もごたらしいほど
泣き臥すほど
うつくしい
うつくしい
ただ留保もなく
あなたはかがやき
無慚なほど
痛ましいほど
うつくしい
うつくしい
ただ留保もなく
あなたは綺羅めき
ひたすらに
かけがえもない
うつくしい
散る散った
とび散った
舞い舞った
●二聲の伽多
褐色の
焰たち
あざやかに色づく
燃える雨は
それは沙羅、その
ふりそそぐ
色彩に名づけた
沙羅と。…沙羅
目などないよ
何故?
誰れもがないよ
その花は白
ただの孔
白く、ただ、白く散るから
その目は昏く
干からびた風
ほほ笑んでさえも
風の発火
狂暴の綺羅
卷き上がる
その狂いに名づけた
沙羅と。…沙羅
口などないよ
何故?
誰れもがないよ
その花は白
ただの孔
白く、ただ、白く散るから
笑う沙羅は
空に墜ちた
沙羅は癡呆
もう、ほら青い
知性などない
燃え立つ海は
その恥辱に名づけた
沙羅と。…沙羅
顏さえないよ
何故?
誰れもがないよ
その花は白
ただの孔
白く、ただ、白く散るから
何を見る?沙羅
正気のふりしろ
そのまなざしに、侮辱以外に
涎れがしぶく
そのくちびるに、軽蔑以外に
まともなふりしろ
何を知る?沙羅
白く、ただ、白く散るから
ただの孔
その花は白
誰れもいないよ
何故?
顏さえないよ
沙羅と。…沙羅
その恥辱に名づけた
燃え立つ海は
知性などない
もう、ほら青い
沙羅は癡呆
空に墜ちた
笑う沙羅は
白く、ただ、白く散るから
ただの孔
その花は白
誰れもいないよ
何故?
口などないよ
沙羅と。…沙羅
その狂いに名づけた
卷き上がる
狂暴の綺羅
風の発火
ほほ笑んでさえも
干からびた風
その目は昏く
白く、ただ、白く散るから
ただの孔
その花は白
誰れもいないよ
何故?
目などないよ
沙羅と。…沙羅
その色彩に名づけた
ふりそそぐ
それは沙羅、いま
燃える雨は
あざやかに色づく
焰たち
褐色の色ら
綺羅ら、沙羅
見てほらすてき
散る綺羅散り沙羅
きらきらすてき
綺羅ら散る沙羅
見てほらみんな
沙羅ら、綺羅
●四聲の伽多
褐色の
うつくしい
焰たち
ひたすらに
あざやかに色づく
かけがえもない
燃える雨は
かけがえもない
それは沙羅、その
ひたすらに
ふりそそぐ
うつくしい
色彩に名づけた
沙羅と。…沙羅
あなたは綺羅めき
目などないよ
うつくしい
何故?
ただ留保もなく
誰れもがないよ
ただ留保なく
その花は白
うつくしい
ただの孔
あなたは綺羅めき
白く、ただ、白く散るから
その目は昏く
うつくしい
干からびた風
無慚なほど
ほほ笑んでさえも
痛ましいほど
風の発火
痛ましいほど
狂暴の綺羅
無慚なほど
卷き上がる
うつくしい
その狂いに名づけた
沙羅と。…沙羅
あなたはかがやき
口などないよ
うつくしい
何故?
ただ留保もなく
誰れもがないよ
ただ留保もなく
その花は白
うつくしい
ただの孔
あなたはかがやき
白く、ただ、白く散るから
笑う沙羅は
うつくしい
空に墜ちた
むごたらしいほど
沙羅は癡呆
泣き叫ぶほど
もう、ほら青い
泣き臥すほど
知性などない
むごたらしいほど
燃え立つ海は
うつくしい
その恥辱に名づけた
沙羅と。…沙羅
あなたはイノチ
顏さえないよ
うつくしい
何故?
この世の光り
誰れもがないよ
あまりに貴い
その花は白
うつくしい
ただの孔
あなたはイノチ
白く、ただ、白く散るから
何を見る?沙羅
生きて
正気のふりしろ
生きてなぜなら
そのまなざしに、侮辱以外に
うつくさそのもの
涎れがしぶく
うつくしさそのもの
そのくちびるに、軽蔑以外に
生きてなぜなら
まともなふりしろ
生きて
何を知る?沙羅
白く、ただ、白く散るから
うつくしい
ただの孔
あなたはイノチ
その花は白
あまりに貴い
誰れもいないよ
この世の光り
何故?
あなたはイノチ
顏さえないよ
うつくしい
沙羅と。…沙羅
その恥辱に名づけた
もごたらしいほど
燃え立つ海は
うつくしい
知性などない
泣き臥すほど
もう、ほら青い
泣き叫ぶほど
沙羅は癡呆
うつくしい
空に墜ちた
むごたらしいほど
笑う沙羅は
白く、ただ、白く散るから
うつくしい
ただの孔
あなたはかがやき
その花は白
ただ留保もなく
誰れもいないよ
ただ留保もなく
何故?
あなたはかがやき
口などないよ
うつくしい
沙羅と。…沙羅
その狂いに名づけた
無慚なほど
卷き上がる
うつくしい
狂暴の綺羅
痛ましいほど
風の発火
痛ましいほど
ほほ笑んでさえも
うつくしい
干からびた風
無慚など
その目は昏く
白く、ただ、白く散るから
うつくしい
ただの孔
あなたは綺羅めき
その花は白
ただ留保もなく
誰れもいないよ
ただ留保もなく
何故?
あなたは綺羅めき
目などないよ
うつくしい
沙羅と。…沙羅
その色彩に名づけた
ひたすらに
ふりそそぐ
うつくしい
それは沙羅、いま
かけがえもない
燃える雨は
かけがえもない
あざやかに色づく
うつくしい
焰たち
ぶち撒けた?
褐色の色ら
綺羅ら、沙羅
咬み咬みちぎれ
見てほらすてき
ちんちらら
散る綺羅散り沙羅
ちぎれ喰え
きらきらすてき
ちんちらら
綺羅ら散る沙羅
ちぎっちゃえ
見てほらみんな
ちんちんちらちら
沙羅ら、綺羅
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