古事記(國史大系版・下卷7・履中・歌謠)


底本國史大系第七卷(古事記、舊事本紀、神道五部書、釋日本紀)

・底本奥書云、

明治三十一年七月三十日印刷

同年八月六日發行

發行者合名會社經濟雜誌社

・底本凡例云、

古事記は故伴信友山田以文山根輝實書大人が尾張國眞福寺本應永年間古寫の伊勢本他諸本を以て比校せしものを谷森善臣翁の更に增補校訂せる手校本二部及秘閣本等に據りて古訓古事記(宣長校本)に標注訂正を加へたり

且つ古事記傳(宣長記)の説を掲け欄外にはその卷數を加へて同書を讀まん人の便に供せり



(傳卅八)

(履中)

‘伊邪本和氣命坐伊波禮之若櫻宮治天下也(伊邪本和氣命、寛本此上有子字)

此天皇娶葛城之曾都毘古之子葦田宿禰之女名黑比賣命生御子市邊之忍齒王

次御馬王

次妹‘靑海郎女亦名‘飯豐郎女[三柱]

(靑海郎女、郎卜本作良、宣長云、諸本郎作皇非是、今從眞又一本。

 飯豐郎女、宣長云諸本郎作皇、今依眞本又一本又一本而據文例此下恐當擧忍齒王御子等及其御母(參攷傳卅八))

 伊邪本和氣命〔いざほわけのみこと〕。

 伊波禮之〔いはれの〕若櫻宮〔わかざくらのみやに〕坐〔ましまし〕て天下也〔あめのした〕治〔しろしめしき〕。

 此〔こ〕の天皇〔めらみこと〕

 葛城之〔かづらき〕の曾〔ソ〕都〔ツ〕毘〔ビ〕古〔コ〕の子〔こ〕

 葦田〔あした〕の宿禰〔すくね〕の女〔むすめ〕

 名〔な〕は黑〔くろ〕比〔ヒ〕賣〔メ〕の命〔みこと〕に娶〔みあひ〕まして

 生〔うみませる〕御子〔みこ〕

 市邊〔いちべ〕の忍齒〔おしは〕の王〔みこ〕。

 次〔つぎ〕に御馬〔みま〕の王〔みこ〕。

 次〔つぎ〕に妹〔いも〕靑海〔あをみ〕の郎女〔いらつめ〕。

  亦〔また〕の名〔みな〕は飯豐〔いひとよ〕の郎女〔いらつめ〕。[三柱。]


本坐難波宮之時坐大嘗而爲豐明之時於大御酒宇良宜而大御寢也

爾其弟墨江中王‘欲取天皇以火著大殿(欲取天皇、宣長云天皇諸本作天下、今依眞本、卜本作天皇、皇字右傍有[下歟]二字)

於是倭漢直之祖阿知直盜出而乘御馬令幸於倭

 本〔もと〕難波〔なには〕の宮〔みや〕に坐〔まし〕し時〔とき〕、

 大嘗〔おほにへ〕に坐〔まし〕て豐明〔とよのあかり〕爲〔せ〕す時〔とき〕に

 大御酒〔おほみき〕に宇〔ウ〕良〔ラ〕宜〔ゲ〕て大御寢〔おほみね〕ましき。

 爾〔ここ〕に其〔そ〕の弟〔みおと〕墨江〔すみのえ〕の中〔なかつ〕王〔みこ〕、

 天皇〔すめらみこと〕を欲取〔とりまつらむとして〕

 以火著大殿〔おほとのにひをつけたりき〕。

 於是〔ここ〕に倭〔やまと〕の漢〔あや〕の直〔あたへ〕の祖〔おや〕

 阿〔ア〕知〔チ〕の直〔あたへ〕、盜〔ぬすみ〕出〔いで〕て

 御馬〔みま〕に乘〔のせ〕まつりて倭〔やまと〕に令幸〔いでまさしめき〕。


故到于多遲比野而寤詔

 此間者何處

爾阿知直白

 墨江中王火著大殿

 故率逃於倭

 故〔かれ〕多〔タ〕遲〔ヂ〕比〔ヒ〕野〔ぬ〕に到〔いたりまし〕て

 寤〔さめ〕まして

  此間者〔ここは〕何處〔いづくぞ〕。

 と詔〔のりたまひ〕き。

 爾〔かれ〕阿〔ア〕知〔チ〕の直〔あたへ〕白〔まをさく〕

  墨江〔すみのえ〕の中〔なかつ〕王〔みこ〕

  大殿〔おほとの〕に火〔ひ〕を著〔つけたまへり〕。

  故〔かれ〕率〔ゐ〕てまつりて倭〔やまと〕に逃〔にげゆくなり〕

 とまをしき


爾天皇歌曰

 多遲比怒邇 泥牟登斯理勢婆 多都碁母‘母 母知弖許麻志母能 泥牟登斯理勢婆

(母母知弖許麻志母、宣長云眞本多錯誤、今從一本)

 爾〔ここ〕に天皇〔すめらみこと〕歌曰〔みうたはしけらく〕

  多遲比怒邇〔たぢひぬに〕

  泥牟登斯理勢婆〔ねむとしりせば〕

  多都碁母母〔たつごもも〕

  母知弖〔もちて〕許麻志母能〔こましもの〕

  泥牟登斯理勢婆〔ねむとしりせば〕

   多遲比野に 寢むと知りせば 立つ薦も 持ちて來ましもの 寢むと知りせば


到於波邇賦坂望見難波宮其火猶炳

爾天皇亦歌曰

 波邇布邪迦 和賀多知美禮婆 迦藝漏肥能 毛由流伊幣牟良 都麻賀伊幣能阿多理

 波〔ハ〕邇〔ニ〕賦〔フ〕坂〔ざか〕に到〔いた〕りまして

 難波〔なには〕の宮〔みや〕を望見〔みやり〕たまへば、

 其〔そ〕の火〔ひ〕猶〔なほ〕炳〔あかくみえたり/さかりなり〕。

 爾〔かれ〕天皇〔‐〕亦〔また〕歌曰〔みうたはしけらく〕

  波邇布邪迦〔はにふざか〕

  和賀多知美禮婆〔わがたちみれば〕

  迦藝漏肥能〔かぎろひの〕

  毛由流伊幣牟良〔もゆるいへむら〕

  都麻賀伊幣能阿多理〔つまがいへのあたり〕

   波邇布坂 吾が立ち見れば 陽炎の 燃ゆる家叢 妻が家の邊り


故到幸大坂山口之時遇一女人其女人白之

 持兵人等多塞茲山

 自當岐麻道廻應‘越幸(越、諸本作起、宣長云今從延佳説)

爾天皇歌曰

 淤富佐迦邇 阿布夜袁登賣袁 美知斗閇婆 多陀邇波能良受 當藝麻知袁能流

故上幸坐石上神宮也

 故〔かれ〕大坂〔おほさか〕の山〔やま〕の口〔くち〕に到幸〔いた〕りませる時〔とき〕に

 一女人〔をみな〕遇〔あ〕へり。

 其〔そ〕の女人〔をみな〕の白之〔まをさく〕

  兵〔つはもの〕を持〔も〕たる人等〔ひとども〕、

  多〔あまた〕茲〔こ〕の山〔やま〕を塞〔せき〕をり。

  當〔タ〕岐〔ギ〕麻〔マ〕道〔ぢ〕より廻〔めぐりこえ/もとほりて〕

  應越幸〔いでますべし〕。

 とまをしき。

 爾〔かれ〕天皇〔すめらみこと〕歌曰〔みうたはしけらく〕

  淤富佐迦邇〔おほさかに〕

  阿布夜袁登賣袁〔あふやをとめを〕

  美知斗閇婆〔みちとへは〕

  多陀邇波能良受〔ただにはのらず〕

  當藝麻知袁能流〔たぎまぢをのる〕

   大坂に 逢うや乙女を 道問へば 直には告らず 當藝麻路を告る

 故〔かれ〕上〔のぼ〕り幸〔いで〕まして

 石〔いそ〕の上〔かみ〕の神〔かみ〕の宮〔みや〕に坐〔ましましき〕。


於是其伊呂弟水齒別命參赴令謁爾天皇‘令詔(令詔、眞本无令字)

 吾疑汝命若與墨江中王同心乎故不相言

‘答白(答白、眞本作答曰)

 僕者無穢邪心亦不同墨江中王

亦令詔

 然者今還下而‘殺墨江中王而上來彼時吾必相言(殺、卜本作煞)

故卽還下難波欺所近習墨江中王之隼人名曾婆加理云(曾婆加理、下文皆作曾婆魔訶理、書紀作刺領巾)

 若汝從吾言者吾爲天皇汝作大臣治天下

 那何

曾婆訶理‘答白(答白、卜本及諸本作答曰、宣長云今從眞本)

 隨命

 於是〔ここに〕其〔そ〕の伊〔イ〕呂〔ロ〕弟水齒別〔どみづはわけ〕の命〔みこと〕

 參〔まゐ〕赴〔きまし〕て令謁〔まをさしめたまふ〕。

 爾〔かれ〕天皇〔すめらみこと〕令詔〔のらしめたまはく〕

  吾〔あれ〕汝〔な〕が命〔みこと〕を

  若〔も〕し墨江〔すみのえ〕の中〔なかつ〕王〔みこ〕と

  同〔おなじ〕心〔こころ〕ならむかと疑〔おもほせ〕故〔ば〕

  相〔あ〕ひ言〔いは〕じ。

 とのらしめたまはば

  僕〔あ〕は穢邪〔きたなき〕心〔こころ〕なし。

  墨江〔すみのえ〕の中〔なかつ〕王〔みこ〕と

  同〔おなじ〕心〔こころ〕にもあらず

 と答白〔こたへまをしたまひ〕き。

 亦〔また〕令詔〔のらしめたまはく〕

  然〔しか〕らば今〔いま〕還〔かへり〕下〔くだり〕て、

  墨江〔すみのえ〕の中〔なかつ〕王〔みこ〕を殺〔ころし〕て

  上〔のぼり〕來〔き〕ませ。

  彼時〔そのとき〕にこそ吾〔あれ〕必〔かならず〕相〔あひ〕言〔い〕はめ。

 とのらしめたまひき。

 故〔かれ〕卽〔すなは〕ち難波〔なには〕に還〔かへり〕下〔くだり〕まして

 墨江〔すみのえ〕の中〔なかつ〕王〔みこ〕に近〔ちか〕く習〔つかへ〕まつる隼人〔はやびと〕

 名〔な〕は曾〔ソ〕婆〔バ〕加〔カ〕理〔リ〕を欺〔あざむき〕て

  若〔も〕し汝〔いまし〕吾〔あ〕が言〔いふこと〕をき[聞]かば、

  吾〔あれ〕天皇〔すめらみこと〕爲〔なり〕。

  汝〔いまし〕大臣〔おほおみ〕に作〔なし〕て

  天下〔あめのした〕治〔しらさんむとす〕。

  那何〔いかに〕。

 とのりたまひき。

 曾〔ソ〕婆〔バ〕加〔カ〕理〔リ〕

  隨命〔みこと〕の隨〔まにまに〕。

 と答白〔まをし〕き。


爾多祿給其隼人曰

 然者殺汝王也

於是曾婆訶理竊伺己王入厠以矛刺而‘殺也(殺、卜本作煞、下二殺字同)

 爾〔かれ〕其〔そ〕の隼人〔はやびと〕に祿〔もの〕多〔さは〕に給〔たまひ〕て

  然〔しか〕らば、汝〔いまし〕の王〔きみ〕を殺〔とり〕まつれ。

  と曰〔のりたまひき〕。

 於是〔ここに〕曾〔ソ〕婆〔バ〕加〔カ〕理〔リ〕、

 己〔おの〕が王〔きみ〕の厠〔かはや〕に入〔いり〕ませるを竊伺〔うかがひ〕て

 矛〔ほこ〕を以〔もち〕て刺〔さし〕て殺〔しせ〕まつりき。


故率曾婆訶理上幸於倭之時到大坂山口以爲

 曾婆訶理爲吾雖有大功

 既殺己君是不義

 然不賽其功可謂無信

 既行其信還惶其情

 故雖報其功滅其正身

 故〔かれ〕曾〔ソ〕婆〔バ〕加〔カ〕理〔リ〕を率〔ゐ〕て

 倭〔やまと〕に上〔のぼり〕幸〔いでます〕時〔とき〕に、

 大坂〔おほさか〕の山〔やま〕の口〔くち〕に到〔いた〕りまして

 以爲〔おもほさく〕

  曾〔ソ〕婆〔バ〕加〔カ〕理〔リ〕、

  吾〔わ〕が爲〔やめ〕に大〔おほ〕き功〔いさを〕有〔あ〕れ雖〔ども〕、

  既〔すで〕に己〔おの〕が君〔きみ〕を殺〔しせ〕まつれるは

  是〔‐〕不義〔きたなしわざなり〕。

  然〔しか〕れども、其〔そ〕の功〔いさを〕を不賽〔むくひず〕ば、

  謂無信〔いつはりせしなりぬ〕可〔べ〕し。

  既〔すで〕に其〔‐〕信〔ちぎりしごと〕行〔おこなは〕ば

  還〔かへり〕て其〔そ〕の情〔こころ〕こそ惶〔かしこ〕けれ。

  故〔かれ〕其〔そ〕の功〔いさを〕は報〔むくゆ〕雖〔とも〕

  其〔そ〕の正身〔むざね〕をば滅〔ほろぼし〕てむ。

 とぞおもほしける。


是以詔曾婆訶理

 今日留此間而先給大臣位

 明日上幸

畱其山口即造假宮忽爲豐樂

乃於其隼人賜大臣位百官令拜隼人歡喜以爲遂志

 是〔ここ〕を以〔も〕て曾〔ソ〕婆〔バ〕訶〔カ〕理〔リ〕に詔〔のりたまはく〕

  今日〔けふ〕は此間〔ここ〕に留〔とどまり〕て、

  先〔まづ〕大臣〔おほおみ〕の位〔くらゐ〕を給〔たまひ〕て、

  明日〔あす〕上幸〔のぼりまさむ〕。

 とのりたまひて

 其〔そ〕の山〔やま〕の口〔くち〕に畱〔とどまり〕して、

 即〔すなは〕ち假宮〔かりみや〕を造〔つくり〕て、

 忽〔にはか〕に豐樂〔とよのあかり〕爲〔せし〕て、

 乃〔すなは〕ち其〔そ〕の隼人〔はやびと〕に大臣〔おほおみ〕の位〔くらゐ〕を賜〔たまひ〕て、

 百官〔つかさづかさ〕をして令拜〔をろがしめ〕たまふ。

 隼人〔はやびと〕歡喜〔よろこび〕て

 志〔こころざし〕遂〔とげぬ〕とぞ以爲〔おもひける〕。


爾詔其隼人

 今日與大臣飮同盞酒

共飮之時隱面大鋺盛其進酒

於是王子先飮隼人後飮故其隼人飮時大鋺覆面

爾取出置席下之劔斬其隼人之‘頸(頸、諸本作頭)

乃明日上幸

故號其地謂近飛鳥也

 爾〔ここ〕に其〔そ〕の隼人〔はやびと〕に

  今日〔けふ〕大臣〔おほおみ〕と

  同〔おなじ〕盞〔つき〕の酒〔さけ〕を飮〔のみてむ〕。

 と詔〔のりたまひ〕て

 共〔とも〕に飮〔のます〕時〔とき〕に

 面〔おもて〕隱〔かくす〕大鋺〔おほまり〕に其〔そ〕の進〔すすめる〕酒〔みき〕を盛〔もり〕

 於是〔ここに〕王子〔みこ〕先〔まづ〕飮〔のみたまひ〕て

 隼人〔はやびと〕後〔のち〕に飮〔のむ〕。

 故〔かれ〕其〔そ〕の隼人〔はやびと〕飮〔のむ〕時〔とき〕に

 大鋺〔おほまり〕面〔おもて〕を覆〔おほひたり〕き。

 爾〔かれ〕席〔むしろ〕の下〔した〕に置〔おかせる〕劔〔たち〕を取出〔とりいで〕て

 其〔そ〕の隼人〔はやびと〕が頸〔くび〕を斬〔きり〕たまひき。

 乃〔かくして〕明日〔くるひ〕ぞ上幸〔のぼりいでまし〕ける。

 故〔かれ〕號〔‐〕其地〔そこ〕を謂〔‐〕近〔ちかつ〕飛鳥〔あすか〕となづく。


上到于倭詔之

 今日畱此間爲祓禊而明日參出將拜神宮

故號其地謂遠飛鳥也

故參出石上神宮令奏天皇

 政既平訖參上侍之

爾召入而相語也

 倭〔やまと〕に上到〔のぼりいたり〕まして詔之〔のりたまはく〕

  今日〔けふ〕は此間〔ここ〕に畱〔とどまり〕て祓禊〔はらひ〕爲〔し〕て

  明日〔あす〕參出〔まゐいで〕て、神〔かみ〕の宮〔みや〕を將拜〔をがまむとす〕。

 とのりたまひき。

 故〔かれ〕號〔‐〕其地〔そこ〕を謂〔‐〕遠飛鳥〔とほあすか〕となづけき。

 故〔かれ〕石〔いそ〕の上〔かみ〕の神〔かみ〕の宮〔みや〕に參出〔まゐいで〕て

 天皇〔すめらみこと〕

  政〔まつりごと〕既〔すで〕に平〔ことむけ〕を訖〔へ〕て

  參上〔まゐのぼり〕て侍之〔さもらふ〕。

 と令奏〔まをさしめたまひ〕き。

 爾〔かれ〕召入〔めしいれ〕て相語〔かたらひ〕たまひき。


天皇於是、以阿知直、始任藏官、亦給粮地。

天皇〔すめらみこと〕於是〔ここに〕

以〔‐〕阿〔ア〕知〔チ〕の直〔あたへ〕を始〔はじめ〕て藏官〔くらのつかさ〕に任〔めし〕たまひき。

亦〔また〕粮地〔たどころ/かてのところ〕をも給〔たまひ〕き。


亦此御世於若櫻部臣等賜若櫻部名

又比賣陀君等賜姓謂比賣陀之君也

亦定伊波禮部也

 亦〔また〕此〔こ〕の御世〔みよ〕に

 若櫻部〔わかさくらべ〕の臣等〔おみら〕に

 若櫻部〔わかさくべ〕といふ名〔な〕を賜〔たまひ〕、

 又〔また〕比〔ヒ〕賣〔メ〕陀〔ダ〕の君等〔きみら〕に

 比〔ヒ〕賣〔メ〕陀〔ダ〕の君〔きみ〕と謂〔いふ〕姓〔かばね〕を賜〔たまひ〕き。

 亦〔また〕伊〔イ〕波〔ハ〕禮〔レ〕部〔べ〕を定〔さだめ〕たまひき。


天皇之御年陸拾肆歲[‘壬申年正月三日崩]御陵在毛受也([壬申]云々、據眞本及諸本補、神本卜本爲大字)

 天皇〔すめらみこと〕の御年〔みとし〕陸拾肆歲〔むそぢまりよつ〕。

 [壬申年正月〔二字むつき〕三日崩。]

 御陵〔みはか〕は毛〔モ〕受〔ズ〕に在〔あり〕。








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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