天人五衰——啞ン癡anti王瑠我貮翠梦organism。小説14


以下、一部に暴力的な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



かクて半獸ノ迦美なル加愚耶比古ノ美古屠め覺メたる迦夜迦が爲にノみ笑ミき故レ加愚耶比古おもハずに迦夜果が爲に聲に娑娑彌氣囉玖

 これは優曇華

  見てたね?

 三千年に一度だけ

  …でしょ?

 花をさかせる是れは優曇華

  見上げてたね?

 わたしのもとでは時の果て

  その開いた瞼に

 時の燃え盡きるその時にまでも

  かつて閉じられていたことがまるで

 常にいつでも常なるまゝに

  あからさまな嘘だったかのように

 優曇華は咲く

  その開かれた瞼に

 咲きつゞけ零れるおちるようにも

  見てたね?

 散り舞いながら

  息をひそめもせずに

かくて迦夜香

 散り畢てもせずに

爾に加愚耶比古ト俱なりテひとり都儛耶氣良玖

 ——ね?

 ——降り落ちる

 ——これ、なに?

 ——枝をゆすれば

 ——ね?

 ——さらさらと

 ——舞い落ちる

 ——雪のようにも

 ——さらさらと

 ——花のようにも

 ——いま、舞い落ちる

 ——さらさらと

 ——なに?

 ——夢のようにも?

 ——ね?

 ——おもわず醒めながら

 ——これ、なに?

 ——見い出した不測の

 ——ね?

 ——夢のようにも

 ——星の沙?

 ——さらさらと

 ——見て

 ——ふりおちる白い

 ——ちいさな

 ——眞珠なす白

 ——さらさらと

 ——それは沙

 ——ふれる指先に

 ——それが白ら須那

 ——ゆらゆらと

 ——これが果實

 ——消え失せそうな

 ——優曇華の果實

 ——さらさらと

 ——降らせてあげる

 ——とけてきえそうな

 ——あなたの上にも

 ——白い沙

 ——地に盈ちた

 ——舞い落ちる

 ——この沙のすべて

 ——綺羅きらの

 ——それは果實

 ——真っ白い

 ——優曇華の果實

 ——きらめきの

 ——永遠の

 ——これ、なに?

 ——優曇華の沙

半獸ノ迦美加愚耶比古ノ媺古斗爾時迦夜迦を見テ覩たりてしばしハ見ツめテ見蕩れたるようにもしばしハ視つメつヅけかクてその眼ヲふせたりキそノ須臾に迦夜果が心ひとりさわぎ且つはゆらぎ且つはふるえタりき故レ香夜果爾に娑娑彌氣囉玖

 なぜ?

  こゝろにもなく

 どうして

  こゝろが破れて

 …ね?

  流れ出す血に

 いまさらあなたはそらしたの?

  おぼれなさい

 その戀した目を

  引き裂かれた

 すでにもう

  こゝろが叫ぶ

 かくしようもないく戀こがれた

  その激痛に

 その意図もない誘惑の眼を

  飲み込まれなさい

 そして

  そこで一人で

 誘惑された屈辱を知ったあなたの

  ただ

 はじらいの眼を?

  絶望と俱に。あなたの

かクて加愚耶比古爾に

  あなただけの絶望と俱に

迦夜加と俱なりテ都儛耶氣良玖

 ——ぼくはしない

 ——ふるえた

 ——戀は

 ——心が

 ——あなたがいくら誘惑しても

 ——ひとりでに

 ——美しすぎる

 ——あなたが逸らしたまなざしの

 ——あなたを知っても

 ——まつげの一度の

 ——そのなめらかな

 ——ふるえの切なさ

 ——髮の光澤

 ——星散らす

 ——ふるえる心が

 ——またたきのそれ

 ——さざなむ儘に

 ——香り立つ

 ——わたしはすでに

 ——やさしい匂い

 ——ことばさえなく

 ——この喉を躬づから手のひらに絞め

 ——あなたにかける言葉さえ無く

 ——いま死んで仕舞えと

 ——わたしは知った

 ——この美しさ

 ——あなたの絶望

 ——この綺羅らぎを見い出した

 ——あなたは死んだ

 ——この刹那の爲にだけ

 ——もうすでに

 ——むしろこの刹那の恍惚の爲にだけ

 ——戀は心をひきさいて

 ——滅びて仕舞えと

 ——存在さえをも焼き盡す

 ——耳にさゝやく

 ——叫びの聲も

 ——その芳香にも

 ——わずかの吐息も

 ——僕は決して戀しなかった

 ——何もない儘

 ——僕はひとりでにもかかわず

 ——あなたは死んだ。わたしにそっと

 ——たしかに戀しはしなかった

 ——見つめられながら






Seno-Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Seno-Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキス、北一輝、など。 三島由紀夫もちょっと好き。そんな感じ。

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