ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /a;...for oedipus rex #133



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



(承前)

   ね? ;contrapunctus, capriccioso à 4


   どう?


   あなたに日射しは

    知ってる?きみは

   ここちよいかな?


   ね?

    あっ!


   ね?

    え?

   どう?


   あなたに木漏れは

    うつくしい。きみが

     知ってた?きみは

   あざやかだったかな?


   ね?


   どう?

    いいえ!

   ん?


   あなたに朝日は

      知って。きみは

    思っている、その

     うつくしい。目も、もう

   みずみずしいかな?


   ね?

    ねっ

   ねねっ


   どう?

    ねっ


   あなたに日々は

      うつくしい、と

    数千倍以上に

     あけられない。この

   すこやかなままかな?


   そっと。そして

    ね?

   ささやきあぐねかけたりもしなが


   ら


   愛、と ;antiphona

    聞かせて。そして

   わたしがささやき

    ひびかせつづけて

   愛、と

    ななめ後方。きみは

   そして。ついに


   愛、と

    きみまでがささやき

   執拗に

    愛、と

   これが。これこそが

    そうささやかれただけでは

   愛、と


   いっさいなにも

    ささやき、それら

   あかされなどはしなかった

    ささやきに、空気が

   と、そんな。ナイーブな

    ふる、え?

   傷みに


   降りそそぐように

    愛、と

   感じさせて。そして

    わたしがささやき

   信じさせつづけて

    愛、と

   ほほの至近。きみは


   そして。すでに

    愛、と

   きみっまでがささやき

    確信に満ちて

   愛、と

    まさに、これだけが

   そうなだめられただけでは


   愛、と

    いっさいなにも

   くりかえし、それら

    あかしされなどしなかっ

   くりかえされる、そのたびに空気が

    と、そん…った。な、ええ。なぜか

   やさしくなるんだ


   自虐的な

    わたしに。肌に、この

   傷みに


   そう


   樹木の翳りが ;sonata à 4

    あ

   土に、裏庭に

    ね?

   ざわめいたのに

    あ

   気づかずに


   あるいていったね?きみは

      なんでだろ?いまの

    気づかないで。この

     すこしだけ、ね。顎を

   わたしに見下ろされた

      きみを、…なんで?なんか

    わたしに。わたしは

     ねっ。あげてごらんよ

   地表に。その

      わすれられない気がした

    かなしいん、わたしが

     ここに、ね。きみを

   翳りの散乱


   と、…ん?


   樹木の翳りに

    あ

   葉々の、枝たちの

    ね?

   翳りにさえも

    あ

   嫉妬を。そっと、きみに


   もう、ふれていたか

    ええ。微動

     え?

   ら


   つつんでいたか

      風だ。…らっ、やや

    翳りが、樹木の

     あ

   つつみこみ、そして

      東のほうから

    きみに、裏庭に

     ね?

   なじんでいたか

      舞い降りた…らっ。ように

    ざわめいたのに

     あ

   わたしは、片目で


   ほほえみを、あっ!きみに。だれにも

      見て。上空の

    木漏れの綺羅たちが

     あっ…

   気づかれないように

      風の、そう。ややちかくに

    きみに、あしもとに

     ね?

   翳りに、あっ。…気づきも

      見て。…そう、

    ひらめいたのに

     あ

   しなかっ…あっ。た、きみに


   愛を。永遠に ;antiphona

    いいんだよね?いま

   永遠の

    誓っても。ね?

   愛を。だから

    きみに、この

   この。愛の


   愛を。そう

    永遠をきみに

   永遠の

    すべて、風景が

   愛を。だから

    記憶になっても

   きみに、その


   記憶をまでも

    まぶたのすれすれに

   完璧にわたしは

    わたしたちは

   愛しただろう

    はしゃぎだし

   ね。永遠に


   唐突に、そこら

    愛しただろう

   そこらいっぱいに

    ね?きみの微笑

   綺羅を踏む

    愛を。赤裸々に

   ん?…かつ


   赤裸々な

    翳りを踏む

   愛を。だから

    もう…ん?

   この。愛の

    わたしたち自身が

   赤裸々をきみに


   綺羅に、らっ

    ささげて、あした

   つつまれ

    世界が巨大な

   翳りに、いっ

    記憶になっても

   ゆらいで


   猶もわたしは

    いいんだよね?いま

   愛しただろう

    打ち明けても。きみに

   ね。赤裸々に、しかも

    この、愛を

   永遠の果てのその先にまでも


   どう?


   旅をしようよ ;canon à 4

   ふたりにしか

   赦され得なかっ

   旅を。ふたりの


   鳩たちの、あれら

    旅をしようよ

   昏む逆光の

    ふたりにしか

   つばさたち。その下

    はじまり得なかっ

   うすい、ね?翳りを


   つまさきで踏んで

    微風のなかに

     旅をしようよ

   きみの笑顔で

    夏の花々を

     ふたりにしか

   わたしを満たして

    ざわつかせながら

     ささやかれはしなかっ

   はるかな、


   な!

    …え?

     聞き取れはしなかっ

   いまだ


   だれも見なかった風景のなかへ

      旅をしようよ

    笑顔で、わたしの

     ささやきを。ふたり

   ふたりで、そして

      ふたりにしか

    きみは満たして

     さわぎたたせて

   ささやきをかさね

      見えはしなかっ…あざやかな

    綺羅めきを、いまも

     ふれて。この

   ね?


   ね?










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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