ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /a;...for oedipus rex #128



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



//知ってる。もう/感情のすべて。きみの/感覚の、視野の、それらの/すべてを、そう//

9月。16日。東京で新幹線に乗り込んだときはほぼ、

   …後悔?

波紋には雲を

   ええ。いまや

見たという記憶は

   すべてが?目に

      …後悔?

なかった。その

   移るもの

      決めたんだ。おれは

なかった事実に気づくすべさえ

   映えるもの

      おとなに、いまや

         …後悔?

なく。その

   すべ…後悔?

      なるべきなん

         もう、そんな

停滞しかつ流れ去る約4時間、自由席に座り、さまざまに変転したはずの窓の外の空模様をは懊悩にさわぐ波紋の脳裏は認識しきらない。広島、やがて廿日市の駅を出、フェリー乗り場に

   知っ…。もう

歩きながら

   排泄物じみた

      気づいてる。もう

遠景に、

   汚染水じみた

      そうだろ?

         わかっ…もう

生まれ故郷の

   芳香。海の

島。肌に霧雨。と、いままさににぶく、重苦しくなる寸前の、あるいはすずしげな白濁。そんな

   笑みを、ほほ

      なんというノイズ

空。きょうは、

   笑みを、わたしに

      波うちの

…波紋。雨?

   は。はっ

      違うん、はっ。じゃない?

         あっ

ふと、

   波紋。…っは

      こん…っは。な、したしげで

         はっ

感覚的に

   は。はっ

      あって、…あっ。いいわけ

         はっ

残存していた

   きっ

朝の、じぶんの

   ささやきを聞かせて

体験の感覚的なすべてを綺麗に否定された錯覚に、しかし

   んっ

好ましく

   ときめきを感じて

思う。これら、あまりに冴えた外気の清冽を。まだとおい島はすでに、ほのかに、しかし明確かつ執拗に波紋に

   糾弾する

      え?

         折れそうなん

なつかしかった。

   おれは。あくまでも

      いま一瞬。…さ

         だ。だっ、猶も

11時。

   いまも、この

      見た気がし、あ。なにか

         こころが。…ええ

真魚は

   目に移るすべてを

      見慣れな…風景。いっ

         ちぎれそうなん

お土産を

   いい?

      だめ?

買っていけと言った。東京バナナ?あの、きいろい包みはただ色彩として、じぶんの現状にふさわしくは思えなかった。なら、どんな色が?だから、なにも用意せずに来たことをいまさらフェリーに波紋は後悔する。神社。朱の

   いい?

      だめ?

散乱。通りぬけ、右手。干上がった海に鳥居。見慣れていた風景が、まさに目新しく、すぐさまにまさに見慣れきって思え、また垣間見られたやがての

   生きていいですか?

      たいよっ

         え?

風景。真魚と、そして

   生きっ

      て、いたいよっ

         え?

彼女が生んでくれた子と、よちよち歩きのころには手を引いて散策を?胸が

   ほら

      とまらないんだ。この

つまり、両親を

   わたしは傷み

      歩みは。…あっ

る、あるいは理不尽な理由に棄てた自分の暴虐にあらためてことばを

   見つけた!

失う。日曜日を

   いつか見た

を、選んだのは、もしも

   見飽きない

あのころと

   影。…松の

おっ。同じなら雅孝は、きょうは休みで在宅のはずだった。あのころの通例なら、…おっ。外食嫌いの…こどもの、

   化学調味料?

      元気で

         見て。ほら

さ。

   って、さ

      すこやかで

         鳥さんたちって

栄養が、

   発癌性物質?

      いきいきしてて

         どこ行くん

さ。

   って、さ

      で、

         見て。ほら

偏るでしょ?庸子。彼女がつくった味のいやにうすい昼食を家でついばんでいるはずだった。あのころのまま、ふたりがまだ

   だれだろう?あれ

      穿つ

そのままだった、と

   つまさきで地表を

      うがっ。わたしの

したら。時間。もともと

   ひっかいたのは

      頭皮を、あえて

雅孝が

   いつだろう?ほら

      やさしい日射しが

東京の人だと謂うことは知っていた。正月にも島を離れはしなかったにしても。あくまでも、彼にここは赴任したさきだったにすぎない。雅孝が、しかし実家らしい日野に帰っているとは思えない。それとなく、…お父さん、ね?「お父さんの?」…の、と。お父さんね?と。そして、

   だれ?

雅孝は

   きみをこんなに

12歳の波紋の虹彩に、必死に

   傷つけたの

息子のこころの

   だれ?

強度をさぐる目の、不穏さ?

   きみをこんなに

な、歎かわしさをは隠さず「お父さんみたいに、いいお父さんじゃなかったから」あの、「わかる?」隻眼。見えない左の虹彩だけ赤紫に変色させたオッド・アイの、…むかし。まなざし「殴られたんだよ」

「だれに?友達に?…お父さん、」

   知ってる。その

      え?

「いまの」

「喧嘩、」

   答えなら。あなたを

      え?…もう

「おまえくらいのとき」

「つよいほうなんじゃない?」

   盗み見てるから

      え?

「親父に」と。雅孝。長浜の小学校を卒業する直前の波紋に…でも、と。笑いかけたのだった。「でも、ぼく」

   あこがれられた

      ね?聞いて

「なに?」

   あなたのおかげで

      いい?あの

「好きだよ」

   わたしは。無数の

      さ。夕焼けって

「だれ?おじいちゃん?

   ともだちに

      さ。なんであんなに

お前、…だって、まだ

   したわれた

      派手に、さ

逢ったことも」

   あなたのかたわらにいるという事実で

      カラフルなん

「目」笑う。「お父さんの、」やや遅れて「目」波紋のはにかんだやわらかな沈黙に、雅孝は。まるで、あきらかに失笑したかに。「なんで?」

「片目、色違いって、…さ。なんか、

   いいんだ。あなたは

かっこよくない?」

   ぼくに、じゅうぶんに

雅孝。声を

   うつくしかったか

立てて笑ったその

   ら。ら。ら

ひびき、おとなの無邪気を波紋はいきなり耳に聞き、…想起。実に、鼓膜がふるえた現実があったかの

   想起。もう

      いっ。…聞こえる?

錯覚。…ごめん、

   襲い掛かってい

      いっ。…ほら、いまや

と。秘密の

   る。狂暴な

      いっ。…大気すべてが

抜け道じみた、簡素なほそい

   想起。もう

      いっ。…あげた怒号に

道をあがり、

   混乱をのみ

      いっ。…収縮してゆき

見えた実家の

   まなざしに、この。突きさ

      いっ。見える?

庭先に、なぜか

   刺す?想起。もう

      いっ。…ほら、いまや

鹿に話しかけていたらしい父を

   赤裸々な

      いっ。…大気すべてが

見た。波紋は、「ごめん」

   なっ!絶句

      いっ。…自重につぶれて

思わずそうつぶやいたのを雅孝は、10メートル以上もさきにもちろん知るはずも

   知っ

ない。

   知っ

雅孝。

   知っ

まばたきに、

   知ってる。もう

   感情のすべて

   感覚の

   視野の


   そう


   もう、それらすべてで












Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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