ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /a;...for oedipus rex #126



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



   仮定せよ。…かっ

   ほんとうに、じぶんの

   ほんとうのじぶんに

   出逢うために


語れ、


   生まれたのだと

   意味だと。それが

   生きる、あなたの

   あり得ない、…かっ。その


…え?死霊らよ、すでに


   仮定せよ。ほんとうの

      守るべ…ねぇ。きだろう?

    見出すため

     る、

   ほんとうに、じぶんの

      どう?きみは

    知り、そして

     るっ。狂っ

   ほんとうのじぶんに

      すでに

    破壊するため

     るっ。る

   そう、出逢うために


ええ、滅びてさえい…え?た


   生まれたのだと

      っているのだ。狂っ、まぎれもない

    狂気?あるいは

     るるっ

   それが意味だと

      覚醒のさなか

    そう。われわれはみずからを

     る、

   ほんとうの、しかも

      正気のうちに

    狂気を以て…どう?武装した

     るっ

   あり得な、その。いっ


死霊らよ、



//あざやかなくらいに/はずかしいくらいに/ここちよい日だから/わたしたちに//

9月、

   かわっ

波紋。彼はあいかわらず春雨と同居したま

   かわいっ

ま、

   エコー。手のひらに

      …元気?

毎朝、真魚の

   息吹きが、きみの

      ね。いっぱい

腹に手を

   エコー。この

      しようね?運動

あてるのを通例としていた。6月に入籍だけはすませた。その月まで引き延ばしたのはひとえに波紋の意志だった。赦せなかった。ホストという職に身を置き、女たちとたわむれを、それが業務上義務にすぎない演技だったとしても毎日くりかえしなが

   かつて、だれも

ら、真魚の

   狂気し得た精神など

正式な

   存在しな

連れ合いになるのだけは。禊ぎ、

   準備を

      微動。この

         生まれるための

と。そう

   そう!

      これも、さ

         外気に。そして

と、そう謂うにも似て

   練習を

      きみの

         せいいっぱい伸びを

かたくなに波紋は

   そう!

      しわざだな?これは

         するために

引き延ばした。やがて、ついに引退し、瓜生との≪東京パラダイス≫計画が具現化し、こ馴れ、軌道に乗り、生活に安定がきざしたのちに入籍する、と。その頑固を真魚は

   責任?

むしろ好ましく以外には

   だっ

思わなかった。30をとうに越え、3人も出産し、きれいにだけ生き延びて来たわけでもないじぶんが、いまさら結婚を急ぐなど完璧すぎる茶番にすら

   愛?

      言っていいかな、

思えた。それに、

   ええ。これは

      きみに

ふたりに

   けっして

      きみにも

残された今後の

   まがいものではなかった

      ありがとって

時間の厖大が、

   愛?

      ささやっ

安堵しきれた真魚にはあまりに充実して見えていた。添い遂げあうべきふたり、いったいあと何十年か知れたものではない時間に、やかが数か月がなんだと謂うのだろう?結婚式自体、あくまでも波紋のこころの記念のためにすぎず、波紋にはそれは

   朝日さえ

      て。さわっ

         やばい!いまおれ

真魚を

   やさしいから

      て。さわっ

         信じらんないくらいに

かがやかせる責任を果たすためだけの幸福なイベントであったにすぎない。いずれにせよ真魚に、波紋がじぶんを裏切るなど須臾の可能性にさえ「ごめん」あり得ない。と、

   信頼を

ふいに「あの、

   無条件の

…おれ」聞く。真魚は「ごめんね」ささやきを「なに?」返り見て

   親しみを

笑ん…ど、だ。「どうしたの?」

   傷み。…あっ、この

      処罰を!

「いま、こんなときに」

   むせかえるよう…あっ、な

      厳罰を!

「だから」真魚。「なに?」その真魚。すなおに笑み、見あげているしかすべがない真魚の、圧倒的な無邪気に波紋は勇気を奪い取る。その逡巡「おれいま」と、懊悩の「真魚を」ざわめきに。「いま、ひとりにしたりしたくはないんだけど」

   さ、さ、さ、

      いつでも、きみは

         さあ!

「どうしたの?」

   さ、さ、さ、

      わたしには

         ああ!

「おれ、」

   さ、さ、さ、

      微笑

         さあ!

「仕事?」実家、と。帰って来るね。そう波紋はささやいたのだった。だから、ふたりの部屋。朝。あおむきかけた、真魚のひたいのややうえのほうで。…実家?と、真魚。聞いていた。波紋からは、もう「おれ、」と。「両親。存在しないから」と、「なに?実家って」

   動揺?

      ほうら。らっ

「嘘ついてた」

   の、ような

      ひかりら。らっ

「嘘?」

   さわぎだち

      鼻の、きみの。あたまに

「ごめん、言えなかっ」

   無言の

      いたずらを、らっ。したよ

「なに?」そして、…え?真魚は波紋の告白を、赦しと労りのやさしい感情の中間の、ゆるぎようもない落ち着きに聞いてやった。15歳。突然の家出。理由は所詮、夢以外にはない。当事者以外はすべて馬鹿莫迦しいとのみ思うだろう。しかし、すくなくともあのとき、そこに当事者たるじぶんたちには圧倒的な恐怖以外のなにものでもなかった。足の先。爪のあやうくふれそうなあたりに、ふいに開口をひろげはじめた危機とこそ、波紋。少年は、そして

   開口!

      なまなましいん

         ね?ふたりで、

大人たち。だから

   開口!

      傷痕が。この

         落ちませんか?

両親も?…たぶん、おなじように思った。だから、ふたりを「おれって、」棄てて仕舞っ…ばっ。た。「莫迦だよね?」

「波紋が?」

   処罰を!

「莫迦でしょ?」

   厳罰を!

「だいじょぶ。波紋は」

「マジで」…なにも悪くない。そう、ささやこうとした真魚のくちびるがひらききらない「でも、」うちに「棄てちゃったの、事実。…じゃない?あれから連絡取ってない。取る気もなかった。取れなかった。莫迦馬鹿しい馬鹿だけど、やっぱ、さ。怖さ、さ。ある。おれが、…だってそうでしょ?おれ、狂っちゃう可能性あるよね?だれだって。それに、…あしたのおれの発狂なんか、おれには一切保証できない。あり得ないじゃん?おれ、

   澄ましていた

      有罪?

かれらの

   わたしは、そして

      ええ、あなたは

普通の、

   わたしに

      ほほ笑みに、なめらかな

ふつうの生活壊しちゃっ

   これら

      それ。棘をひそませて

ちゃっ

   肉体を

      いて、も

ちゃったからね?おれの

   ふかく、ふるわせた

      いいんだよ?

せいで、めちゃくちゃ

   音響に

      有罪?

苦しんだと

   知った。これら

      ええ、あなたも

思う。悲しん、

   発生。それはあくまで

      返り見。ふいの

…苦しんだよ。やっぱ、

   肉体の

      そう、まなざしにすら糾弾を

かれら。家出…まさか、おれが

   酷使にすぎな

      ひけらかして

じぶんらを棄てるなん

   ん?

て」

「逢いたい?」

「土下座する。もし、かれらがまだおれなんかのこと、せめて覚えててくれて、それで、おれに逢ってくれて、で、ひょっとしたらおれを赦してくれて、…土下座する。赦して、

   らっ。笑っていい?きみ

      いとお…もう。しい

         重い?悲惨に

受け入れてくれなくても

   ばたばたしないと

      もう。大切すぎて

         ふとっちょの

なんでも

   立ちあがれないの?

      もう、耐えられな…あ。いくら

         おなかも、ほら

する。せめて、おれ、真魚のこと。おまえがおれにしてくれたこと、おまえが、すっごいおれに大切なひとだってこと、だからしっかり伝えて、で」

   見て

「大丈夫だよ」

   微風にも

「で、」

   綺羅ら

「なに?」言い淀み、そしてあらためてじぶんを見つめた波紋に真魚はもういちどほほ笑みを「…言って」ささげた。「なに?」

「こども。もすうぐ、この子がうまれること、おれ。せめてかれらに報告だけはしたい。だから、謝罪と」真魚は、

   と、ふいに

      そう。…綺羅ら

その「…感謝」

   不安。だって

      あけすけな

微動の

   情熱が、きみの

      もう。ここに

ほほに「つぐないも、

   空回りして

      無造作な

できれば」ひだり手のひらを

   きみに

      そう。…綺羅ら

当てた。みぎは、あくまで腹部にふれたまま。瞳孔を、ひらききって真魚はたしかめるかに波紋を見て、そしてくちづけをくれた。みじかいとも、ながいとも謂えない「だいじょうぶ」

   見て

微妙な。と、

   微風にさえ

真魚。「波紋はもう、

   綺羅ら

なんだってでき

   ん?

きるよ」











Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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