散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /a;...for oedipus rex #074



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



#10//足もとに、…あ/ひかりが。これら/足もとから、…ええ/せりあがって来た//

そしてわたしが、と。けもの。その翼ある獅子のけものは思う。いま、と。この目をそらして仕舞えばあなたはだれにも見られることなく独り燃えあがっていったということになるんだね?声。その、あえて声にささやきだされはしなかったささやきは、だからけもの。彼以外には聞きはしなかった。その鼓膜さえひたすらな微風の無音を聞き、花々は、だから、肉体にだけ燃え拡がる焔のすれすれの寸前にみずから発火して閃光を放った。ごくごく、ちいさく。かつ、

   え?

あるいはするど

   え?


   あなたの、ふいに

   ふいに?…孤独が

   孤独?…わたしに

   ふれた気が、え?した


   あっ

    なんという、この

   あっ

    日々だったろう?

     思わず、わたしが

   あっ


   あなたの、ふいに

      わかる?なにものも

    ふいに?…孤独が

     失語の須臾を

   孤独?…わたしに

      滅びなかっ…得なかっ、かっ。た

    ふれた気がして

     擬態した隙に

   孤独?…わたしが

      わか

    ふいに?…孤独が

     巧妙な、んっ。ほどに

   あなたは?ふいに


   あっ

    なんという、この

     すみやかに。きみが

   あっ

    日々だったろう?

   あっ


   ふれた気がした

   孤独?…あなたに

   ふいに?…孤独が

   わたしの、ふいに


そして

   やめて

      息吹く

わたしが、…え?

   もう

      うっ

と。けもの。翼ある

   背すじを、ね?

      息づ…うっ

え?獅子のけものは

   かたむけるのは

      くっ。…息?

いま、と。この

   あやうく

      息吹か

目をそらして仕舞えばあなたは、

   そんっ

…ね?だれにも、

   そんな莫迦な!

…ね?見られることなく、

   そんっ

…ね?ひとり。

   そんな莫迦な!

…ね?燃えあがっていったということになるんだ

   えっ。ね?そう

      と。解き放たれて

         え?

ね?その、

   あやうく。…ね?もう

      ひかり。そこに

         え?

かろうじて声に

   あま…ね?り、にも

      停滞してほそい奔流は

         え?

ささやき出されはしなかったささやきは、だから

   はかな…ね?く、

      と。流出

         え?

けもの。翼ある獅子と蛇尾の

   吸い込みなさい。いっ

      微妙に

けもの。彼以外には

   やさしい、さあ!大気を

      微妙な

なにものも耳にはしな

   いっぱいに

      鬱!だから

な、なかった。けもの。

   やさしすぎもする

      鬱が、ええ

その鼓膜さえ、ひた

   体内に

      柔和に

た、すらな微風の無音を

   ききっ!けもの

聞いていた。花々は、

   けものらは。あっ

肉体にだけ

   華麗であるべ

燃え拡がる

   ききっ!と。きみは

焔の、すれすれの寸前にみずから発火して閃光を放った。ごくごく、ちいさな。かつ、するどすぎた

   ちいっ

      散ったよ!

         微弱な。そして

それらの

   ちいっ

      ま。いま

         微細な。そ

鮮明。

   足もとに、…あ ;contrapunctus à 4

      だれ?ふと

    あ

     見て

   ひかりが。これら

      いきなり、らっ。わたしを

    あ

     足もとに、…え?

   ええ。足もとから、らっ

      愛して仕舞っ

    あ。愛を

     ひかりが。なめら

   せりあがって来た


   かに、

      愛して仕舞っ…ええ。った

    あ

     かに、

   も。そう

      あなたは。ふいに

    あ

     も。そう。すでに

   思えた、だから

      やや、陰惨で

    あ。愛を、語りかけ

     粉砕されてさえい…ん?

   閃光が


   なんという、な。この

      いたましい微笑で

    あ

     なん、これら

   清潔な。と、なんっ…これら

      愛?わたしを

    あ

     清潔な、え?明滅であろう、

   清楚を。ええ、窮めた

      ひっぱたき、…そう

    あ。て、沈黙する愛を軽蔑したけもの

     …か。あっ

   大気だったろう?


   ね?


   ふれた?…いえ ;antiphona

    停滞を。ふいに

   なにも。そんな

    わたしは、あえて

   素振りもなかっ

    ゆびさきに、だ。わたしの

   あくまでも


   見止めた。だから

    すこしも、どう?

   なにを?そこに

    ふれた?…いえ

   そのときに

    なにも。そんな

   すでに


   きざしさえなかっ

    もたげられていた、ひだりの

   あくまでも

    停滞を。ふいに

   すこしも、どう?

    鮮明にわたしは

   ふれた?…いえ


   ゆびさきに、わたしの

    なにも。そんな

   いぶかった。だから

    気配もなかっ

   さわるべき、…かっ。なにが

    あくまでも

   そのときに


   すこしも、どう?

    どこに?

   須臾などなかっ

    もたげられていた、ひだりの

   なにも。そんな

    停滞を。ふいに

   ふれかけた微動も


   さわぎだちさえしはじめていった

    あくまでも

   懐疑。だから

    すこしも、どう?

   自分の、あやうい

    ふれた?…いえ

   須臾に対する?


   なにも。そんな

    停滞を。ふいに

   なかっ…須臾など

    わたしは、あえて

   あくまでも

    ゆびさきに、わたっ

   どう?…すこしも


   厭うた。だから

    ふれた?…いえ

   なにを?そこに

    な。そんな、なにも

   そのゆびさきは

    可能性もなかっ

   すでに


   あ。ふれ、

    ふ

   え?

     いじめないでくだ

    あ

   ええ、…ふ


   あふっ


   ええ ;canon à 4

     ふっ。翳るに…ええ。まかせよ

    のだ、…ね?

      残酷と、そう

   ええ、…え?

     翳るまま、克明に

    さいなまれている

      ね?いまや赤裸々な

   ええ

     あなたの翳りに

    固有の、じぶんの?感覚に

      微笑も。きみの

   ええ


   えっ。翳るにまかせよ

     取り逃していて

    ささやかな感覚

      そう、搔き毟った

   翳るまま、克明に

     ささやきを?きみは

    どう?きみは

      なんでしょうか?記憶を

   夜に、切実な

     そんな夜にさえ

    そう?

      残酷さ、とは

   月たちは


   つぶだちを?

     視野をも。もう埋め尽くす

    包み隠して仕舞うままにも

      ええ、…え?

   ささやかな感覚の

     なんですか?雨が

    わたしをも。そう

      ええ

   どう?きみは

     残酷さ、とは

    あなたの息吹きが

      ええ

   そう?


   涙。の、ような

     ええ、…え?

    たとえば、やわらかな

      跳ねたの?なんに

   なみ、…あ!

     ええ

    なんですか?それは

      くちびるの微音は

   涙。だっ

     ええ

    残酷さ、とは

      ななめにこぼれた

   だって、綺羅めいて仕舞った


   雨にさえ、きみが

     雪たちが

    ええ、…え?

      失笑を。わたしは

   たとえば、やわらかな

     雪たちが!空中にさえ

    ええ

      ふと、…え?新鮮な

   なんですか?それは

     溶けてゆくのをやめないのだか

    ええ…ら

      見出されていて

   残酷さ、とは


   ええ

     えっ。翳るままにまかせよ

    のだ、…ね?

      残酷と、そう

   ええ、…え?

     翳るまま、鮮明に

    傷められている

      ね?いまや完璧な

   ええ

     あなたの翳りに

    みずからの、そう。きみは?感情に

      微笑も。きみの

   ええ


   ええ。そう、翳るにまか

     かみ殺しかっ。かっ。けて

    ささやかな感情

      そう、残された

   翳るまま、鮮明に

     きみは吐息を

    どう?きみは

      なんですか?なんっ。記憶に

   おおらかな夜に

     夜に、夜。…どんな?さえ

    そう?

      残酷さ、とは

   星たちは、あれら


   ざわめきを?

     視野をも。もう、埋め尽くす

    覆い隠して仕舞っ。もう、ままにも

   ささやかな感情の

     なんですか?雪が

    わたしをも。そう

   どう?きみは

     残酷さ、とは

    あなたの、なんっ。まなざしが

   そう?


   涙。の、ような

    たとえば、清冽な

   なみ、…あ!

    なんですか?それは

   涙。だっ

    残酷さ、とは

   だっ。綺羅めいて仕舞っ


   雪に…った!さえ、きみが

   たとえば、清冽な

   なんっ。それは

   残酷さ、と


   ええ

    あっ

   え?


   あっ










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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