小説 op.5-(intermezzo)《盗賊》【完全版】…彼女は静かに涙を、流す。
連作《シュニトケ、その色彩》の間奏曲的短編《盗賊》の、伏字なし完全版です。
見かけ、字面はたしかに、反社会的な言葉や、反道徳的な言葉にあふれかえっていますが、
最後まで読んでいただければ、実は、若干感傷的で、非常に情緒的な短編だということに、気付いていただけるのではないかと。
実際、僕はいわゆる叙情短編には興味がないのです。
もっと、ひりひりする、極限状態でこそ、本当の人間的な叙情があふれるものだ、と想うのです。
ですから、これだけは断言できますが、
私は人間が好きだし、究極、信じています。
たとえ、世界がときに、いかに、無慈悲な姿を曝そうとも。
2018.06.12
Seno-Le Ma
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