アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -07 微動。色彩と事象のあいだに-07





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





謂く、むシ呂あわヒあたたかナム羅さきいろのやさシヒ雨にこノ花が散りますか羅。海ハ雨です蚊?いマ、

   …に?それ、なに?

     飛沫たち。粒だち

    …水滴。それは

      たぶん…ね?

   ん?…そ

     ひらひらするから

    色もない、綺羅

      え。…っと

   さっき、わたしに

     水滴。それが、…猶も?

    やがて流れ落ち

      …に?それ、なに?

   爪をなめていた

謂く、桔梗はときに猫ヲ喰ウ。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、わたしに

   爪をなめていた


   …に?それ、なに?

     涙。しずくは

    …涙。それは

      ささやかないで

   ん?…そ

     きりきりするから

    ひかり、あたたかな

      え。…っと

   さっき、冷え切った

     涙。それが、…だれの?

    だれかの頬に

      …に?それ、なに?

   波紋にふるえた

アネモネの蔦の繁殖をか謂く、咬ミちぎレ。咬メ。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、冷え切った

   波紋にふるえた


   …に?それ、なに?

     花たち。花は

    …花。それは

      きっと…ね?

   ん?…そ

     ゆらゆらするから

    しろい、ちいさな

      え。…っと

   さっき、しずかな

     花。それが、…いまも?

    まだ知られない

      …に?それ、なに?

   焰をたてた

謂く、プルメリアが不安のなかにそっト放火し多ノハ昨日ノ話でス。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、しずかな

   焰をたてた


   …に?それ、なに?

     雨たち。雨は

    …雨。それは

      息を、しないで

   ん?…そ

     くらくらするから

    やさしく降った

      え。…っと

   さっき、微弱な

     雨。それが、…咬みっ

    あの六月。霞み

      …に?それ、なに?

   叫びを吐いた

謂く、ドコ?りンどう?

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、微弱な

   叫びを吐いた


   …に?それ、なに?

     傷。傷ついては

    …傷み。それは

      やっぱ…ね?

   ん?…そ

     ひらひらするから

    あなたにきざした

      え。…っと

   さっき、ゆび先は

     傷。それが、…虹を?

    ささやかな

      …に?それ、なに?

   ふれられなかった

謂く、シ呂ヒ鳥たチ沙えアマリリスに陀けハ。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、ゆび先は

   ふれられなかった


   …に?それ、なに?

     微風。風立ち

    夜明けの変質者。ぐばっ

      うごかないで

   ん?…そ

     びくびくするから

    体液を散らした

      え。…っと

   さっき、だれかが

     風。それは、…もう

    匂う、かすかな

      …に?それ、なに?

   血を吐くのを見た

謂く、ライラックを燃やセ。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、だれかが

   血を吐くのを見た


   …に?それ、なに?

     香りたち、匂いは

    …香り。それは

      あの、…ね?

   ん?…そ

     ひりひりするから

    ふと返り見た

      え。…っと

   さっき、こごえてた

     匂い。それが、…どこ?

    あのひとの髪に

      …に?それ、なに?

   震動にくずれた

謂く、たぶン。海から帰るハずでス。ヒヤシンスならあシ多、

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、こごえてた

   震動にくずれた


   …に?それ、なに?

     頬にゆがんだ

    …へど。げぇ…くさっ

      もう、そこに

   ん?…そ

     いびつなふるえは

    かなしい、けなげぇ…

      え。…っと

   さっき、かたちをきざした

     笑み。それは、…なに?

    せめてものほほ笑み

      …に?それ、なに?

   手ざわりなどなかった

謂く、ダリアはオ好きでスか?

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、かたちをきざした

   手ざわりなどなかった


   手ざわりもなかった

   さっき、かたちをきざした

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、ガーベラが日射しに失神シそうです。

   手ざわりもなかった

     …に?それ、なに?

    せめてものほほ笑み

      笑み。それは、…なに?

   さっき、かたちをきざした

     え。…っと

    かなしい、けなげな

      いびつなふるえは

   ん?…そ

     もう、そこに

    …頬。それは

      頬にゆがんだ

   …に?それ、なに?


   震動にくずれた

   さっき、こごえてた

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、シクラメンが茎の青虫を舐メてヒまスよ。

   震動にくずれた

     …に?それ、なに?

    あのひとの髪に

      匂い。それが、…どこ?

   さっき、こごえてた

     え。…っと

    ふと返り見た

      ひりひりするから

   ん?…そ

     …香り。それは

    あの、…ね?

      香りたち、匂いは

   …に?それ、なに?


   血を吐くのを見た

   さっき、だれかが

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、やヤ彼岸花ばシったってやつでしょう蚊。

   血を吐くのを見た

     …に?それ、なに?

    匂う、かすかな

      風。それは、…もう

   さっき、だれかが

     え。…っと

    驟雨をきざした

      びくびくするから

   ん?…そこに

     うごかないで

    …風。それは

      微風。風立ち

   …に?それ、なに?


   ふれられなかった

   さっき、ゆび先は

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、あの日あのときのや沙シげだっタ福寿草ハいツ飛び立ツのでシょうネ?

   ふれられなかった

     え。…っと

    ささやかな

      傷。それが、…虹?

   さっき、ゆび先は

     …に?それ、なに?

    あなたにきざした

      ひらひらするから

   ん?…そ

     やっぱ…ね?

    …傷み。それは

      傷。傷ついては

   …に?それ、なに?


   叫びを吐いた

   さっき、微弱な

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、ソシテ棘だ羅ケノひなげシのキメラ。ひまワり。

   叫びを吐いた

     え。…っと

    あの六月。霞み

      雨。それが、…咬みっ

   さっき、微弱な

     息を、しないで

    やさしく降った

      くらくらするから

   ん?…そ

     …に?それ、なに?

    …雨。それは

      雨たち。雨は

   …に?それ、なに?


   焰をたてた

   さっき、しずかな

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、強靭なベゴニアたチの夢はソっとシ蚊もいマ、

   焰をたてた

     …に?それ、なに?

    まだ知られない

      花。それが、…いまも?

   さっき、しずかな

     え。…っと

    しろい、ちいさな

      ゆらゆらするから

   ん?…そ

     きっと…ね?

    …花。それは

      花たち。花は

   …に?それ、なに?


   波紋にふるえた

   さっき、冷え切った

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、…とカ?屠殺されたれんげ。

   波紋にふるえた

     …に?それ、なに?

    だれかの頬に

      涙。それが、…だれの?

   さっき、冷え切った

     え。…っと

    ひかり、あたたかな

      きりきりするから

   ん?…そ

     ささやかないで

    …涙。それは

      涙。しずくは

   …に?それ、なに?


   爪をなめていた

   さっき、その舌に

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、こんどハ薔薇でス。焦グェた花はウォ好きでしょう蚊?

   爪をなめていた

     …に?それ、なに?

    やがて流れ落ち

      水滴。それが、…猶も?

   さっき、その舌に

     え。…っと

    色もない、綺羅

      ひらひらするから

   ん?…そ

     たぶん…ね?

    …水滴。それは

      飛沫たち。粒だち

   …に?それ、なに?

謂く、だからそのいじましい可憐に。そのしろに青。

月。

せつないほどの海。思わず笑んだ。…なんて!海さえ染めているだろうと、…なんと!やがて海面の綺羅に照らされた月の…まさか!あのたえまない雨のおかげで奇蹟なすダイヤモンドの稀有な青い色彩に、いまや海は、思った。鳴りひびいていたもの。だからさっき、かぎりなくやさしい微弱なささやきを擬態して、むしろ海をいまさら波だたたせないように、その断末魔のさけびを聞いた。わたしはそこに脱ぎすてられた殻。すする。ちぎる。咬む。あくまでも匂いのない血に、磐にくだける波の飛沫にも似て飛び散るしろい、こうして、すする。ちぎる。咬む。もはややつれきっているしかなかったはずのその肉体を、だからわたしを。肛門と口蓋の両方からながい頸をさらしたけものが貪るにまかせた。あるいはこんな夢を見た。









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000