流波 rūpa ……詩と小説030・二十九の詩と散文による流波 rūpa 伽多
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
以下は詩。もしくは、この10月から書いてる長い小説と、11月に書いた中編小説のシノプシス、或はテーマ。
小説の概要は、ベトナム在住のわたしが十六歳/十八歳の少年/少女に出会う。彼/彼女は売春をしている男/女で、その名前も素性も知れない。だから、わたしは彼/彼女を沙羅と名づけた。共通言語はなにもない。そしてわたしにさまざまな記憶が想起される。
般若經・中論・唯識論をベースにしたもの。
詩は、詩本編と、複声部のパーツふたつ、及び二声の詩と四声の詩。
五偈の伽多//世界はやさしい/みんなにやさしい/化ものたち/前例もない
世界はやさしい
みんなにやさしい
化ものたち
前例もない
息吹きをゆらし
まばたいて
ふるえ
沙羅
すべては綺羅ら
綺羅きら綺羅ら
綺羅きら綺羅ら
すべては綺羅ら
沙羅
ふるえ
まばたいて
息吹きをゆらし
前例もない
化ものたち
みんなにやさしい
世界はやさしい
〇1
あふれかえる
ただ、もう
やさしさにだけつつまれて
こぼれだす
ただ、もう
やさしさにだけつつまれて
ほら、すでに
原野にきらきら
もう、すでに
〇2
イノチの綺羅めき
途方もなく
果てさえもない
イノチの綺羅めき
限りなく
盡きさえしない
光りらざわめき
翳りらざわめき
その静寂のうちに
●二聲の伽多
世界はやさしい
あふれかえる
みんなにやさしい
ただ、もう
化ものたち
やさしさにだけつつまれて
前例もない
息吹きをゆらし
こぼれだす
まばたいて
ただ、もう
ふるえ
やさしさにだけつつまれて
沙羅
すべては綺羅ら
ほら、すでに
綺羅きら綺羅ら
原野にきらきら
綺羅きら綺羅ら
もう、すでに
すべては綺羅ら
沙羅
やさしさにだけつつまれて
ふるえ
ただ、もう
まばたいて
こぼれだす
息吹きをゆらし
前例もない
やさしさにだけつつまれて
化ものたち
ただ、もう
みんなにやさしい
あふれかえる
世界はやさしい
●四聲の伽多
世界はやさしい
イノチの綺羅めき
あふれかえる
果てさえもない
みんなにやさしい
途方もなく
ただ、もう
途方もなく
化ものたち
果てさえもない
やさしさにだけつつまれて
イノチの綺羅めき
前例もない
息吹きをゆらし
イノチの綺羅めき
こぼれだす
盡きさえしない
まばたいて
限りなく
ただ、もう
翳りなく
ふるえ
盡きさえしない
やさしさにだけつつまれて
イノチの綺羅めき
沙羅
すべては綺羅ら
光りらざわめき
ほら、すでに
その静寂のうちに
綺羅きら綺羅ら
翳りらざわめき
原野にきらきら
翳りらざわめき
綺羅きら綺羅ら
その静寂のうちに
もう、すでに
光りらざわめき
すべては綺羅ら
沙羅
盡きさえしない
やさしさにだけつつまれて
イノチの綺羅めき
ふるえ
限りなく
ただ、もう
限りなく
まばたいて
イノチの綺羅めき
こぼれだす
盡きさえしない
息吹きをゆらし
前例もない
果てさえもない
やさしさにだけつつまれて
イノチの綺羅めき
化ものたち
途方もなく
ただ、もう
途方もなく
みんなにやさしい
イノチの綺羅めき
あふれかえる
果てさえもない
世界はやさしい
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